過去の成果発表(博物館実習1)(博物館実習1)

To me for me 夢の中でのわたしとの対話

チーム悪夢

外面と内面、表と裏、理性と本能が対にしてあるように、わたしたちの中にも、もうひとりの”わたし”が潜んでいる。心理学の父ジークムント・フロイト(Sigmund Freud 1856-1939)は「夢は実生活で抑圧された願望の表れである」と言い、弟子であるカール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung 1875-1961)は「夢は未来を予知し過去や未来からアドバイスを送っている」と述べている。これらは内側に潜むもうひとりの“わたし”からのメッセージではないだろうか。夢や眠りは心地よいものばかりではない。想像もしない悪夢を見たり、「永眠」という言葉は「死」を表したり、夕闇のごとく暗いイメージも存在する。ギリシャ神話から、「眠り」、「夢」、「夜」そして「死」は擬人像として兄弟や母子の関係性があり、古くから造形芸術に取り上げられてきた。世紀末美術においては「眠り」、「夢」、「夜」、「死」はいずれも現実世界や自我意識からの解放と新たな時空への飛翔を促すものとして芸術の創造とも深く関わる重要なテーマであった。ここでは「眠り」、「夢」、「夜」「死」を軸に絵画、彫刻、映像などの芸術や表現のなかで、自身に潜むもうひとりの”わたし”を見つめ、自我を解放し新しい発見を得ることを目的とする展覧会である。

 

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