過去の成果発表(博物館実習1)(博物館実習1)

人形展 ~学びとしてのにんぎょう展~

チーム:ねこざめ

古来より発生し、現代にまでその姿を残している「人形」とは、わたしたち日本人にとって単なる遊びもの(プレイシング)や愛玩具ではなく、常にそれ以上の存在でありました。それは人形の文字が示すようにまさにひとがた、人間の分身として扱われ続けています。

これらの人形は現代においても身近な存在であるにも関わらず、かわいいお人形さんだけではない側面が存在していたことを知る人はすくないのではないでしょうか。人形は愛でるものとしての側面とはまた別に「教育や学び」という優れた側面が存在するのです。

例えば、日本人なら誰もが聞いたことのある「市松人形」は、女児の遊び道具として重宝されたほか、裁縫の練習台としても使用されました。当時は裸のまま人形は売られており、購入した後、各家庭で衣装を制作していました。つまり市松人形には愛玩具としての側面の他に「裁縫」の練習台という裏の側面もあったのです。

本展覧会(企画)では、人形のもつ「教育」「学び」としての側面に注目し、その特性が顕著に現れている人形たちを軸に構成しています。地域、年代を問わず集めた人形たちから、人形の存在する意義、及び教育の多様性を知ってもらうための展覧会です。

最後に、これらの「教育」「学び」としての人形の側面を捉えるとき、最も重要なことは現代にあける教育機関、施設においての学習だけが「学び」ではないということです。昔から「遊び」と「教育」は切り離せない表裏一体のものなのです。先に述べたように裁縫の練習台など人形たちを通して上記の学習以外の教育の多様性をしってもらえたら幸いであり、本展覧会の開催意義になるのではないかと思います。

 

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