過去の作品

いくつもの世界が混在する

望月梨絵 Rie Mochiduki
[グラフィックデザインコース]

後藤繁雄 評
望月さんの作品は天然の才能なのですけれど、手前のテーブルの上にあるブックの仕上がりも抜群に良くて、自分の資質を理解した上で、ちゃんとレイアウトさ れていた。ここにはグラフィックコースの教員の方々の丁寧な指導の痕跡が見てとれますね。グラフィックの展示会場には全般的にそういう好ましい印象を持ち ました。商業的な指向性をもつグラフィックデザイン教育の範疇にも入っていないし、かといって「お前らは自由にアートしてろ」といった、曖昧な自由も与え ていない。ここが重要なところで、普通はどちらかに偏ってしまうのですよ。いい指導を受けている、若い人の隠れた才能を深いレベルから引き出しているなぁ と思いました。

(2007年度 卒展プライズ受賞作品)