過去の作品

共存する住宅

山家章宏 Akihiro Yamaya
[環境デザイン学科]

茂木健一郎 評
僕はメタボリズムだとか隈研吾の『負ける建築』だとか、フンデルトヴァッサーの直線を排した建築とか、この構想に近いものというのは過去にいくつかあった と思うのですが、そういうのを踏まえたうえでもオリジナリティを感じていました。特に関心を持ったのは、多様性と景観の統一性をどう両立させるかというこ とですね。日本では様式の統一がほとんど成されていなくて、景観が本当にムチャクチャになっている一方で、画一化されるのを嫌がる。山川君の提案は、基本 的にAというものをユニットとしながらも、ユニットをどうつなげるかというところで多様性を持たせることにより、多様性と様式的な統一感を両立させる道を 示しているということと、空間利用が効率的ですよね。ただ、ウィーンのフンデルトヴァッサーが構想していた、丘陵集合住宅にするような建築があります。そ れは実現していないのだけれど、おそらくこれも実現するのは難しいだろうと思いますが、よくやったなという感じですね。

(2006年度 卒展プライズ受賞作品)