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今野真莉絵 Marie Konno
[工芸コース]

酒井忠康 評
僕たち日本人は自然からヒントを得ることが多い。人間と人間、人間と社会の関係を意識して自分を鍛える方向にいきがちな欧米人は、神様のような存在がないと自分をコントロールしてもらえないけど、日本人は黙って自然に心を寄せれば「おまえ、ちょっと慌てているよ」と言ってもらえるでしょう。だけど、それだけでは仕事になりません。「作品を創っていく中で、自然と自分の共生以外に、人と人とのつながりもあるということに気づいた」という彼女の作品は、人間的な問題と、人間以外の外的な世界が合体されています。それはとても大事なこと。若く、貪欲にいろんなものを吸収しようというエネルギーと、潔さ、作品の中に自然に入っていけるところが凄くいいですね。

(2010年度 工芸コース最優秀賞作品)