エピソード2 | 矢作祐美・おとは
トトーンリリ
トトーンリリ
トトーンリリ
小さいころ、母に連れられて大好きな祖父の家に遊びに行きました。
祖父は山形に伝わる大将軍の話を聞かせてくれます。
「大将軍というのは、方位の吉凶をつかさどる八つの神様の一つだよ。年ごとに住む場所を変えるんだ。大将軍がいるときは、その土地を掘ったりして神様を怒らせてはいけないよ。」
トトーンリリ
トトーンリリ
トトーンリリ
時が過ぎて祖父は亡くなり、畑へ行くこともなくなりました。
私は大人になり結婚し、新しい家族と住む場所を探します。
その後、子供にも恵まれ家を建てるためのまた土地を探します。
そのたびに私の前に現れたのは祖父ゆかりの土地でした。
不思議な縁です。祖父の思いが伝わります。
「目には見えないけれど土地の神様はいるんだよ。目には見えないけれど、いつも見守っているよ。」
トトーンリリ
トトーンリリ
トトーンリリ
川村回想| 方位を司る神と祖父の記憶。本編で登場した祖父の影絵人形は、矢作さんからおじいさんの写真を頂いて制作しました。矢作さんのスケッチには畑と祖父の家という風景があったので、それに合わせて影絵のシーンも制作してみましたが、大将軍の印象が薄れそうだったのでお蔵入り。矢作さんが語る「トトーンリリ」という言葉には節と音程がついていて、まるで元々どこかにあったわらべ唄を聴いているようでした。