エピソード5 | 高田悠子・ときあ
カタカタカタカタカタ…コトコトコト…
私が小さいころ暮らしていた家に小人が住んでいた。
手のひらくらいの大きさでリアルな顔。
少し恥ずかしそうにやさしく笑っている。
木靴をはいていて、いつも家の階段の上から2段目くらいに座ってた。
今もその家の階段には、小さな靴跡のような跡が何個かある。
カタカタカタカタカタ…コトコトコト…
姿が見えない時も、小さな靴音のようなものがきこえたりもした。
昔から、なくしものは不思議と見つかってきた。
今でもそう。
それはそっと小人が持ってきてくれているのだと思う。
そーーっと、そーっと。
自分が届けていることを気づかれないように。
カタカタカタカタカタ…コトコトコト…
川村回想| 家にいた小人の目撃談。かなりセンセーショナルな内容。初めてこのエピソードを伺った時は半信半疑でしたが、高田さんによる小人の話があまりにもリアルだったので、熱心に聞いてしまいました。高田さん曰く、小人の顔はホリが深かく、ギリシャ系なのだそうです。ホリの深いギリシャ系 っていうと、どうしても阿部寛みたいなのが浮かんできてしまい、なかなか小人とが繋がらず何度も作り直しました。本編では、影絵ライトを動かして大きな階段や、椅子の周りをうろちょろする小人を作ってみました。