エピソード7 | 佐藤藍・ふうま
ゲコゲコハカナガレル
雨の日になるとよく蛙が鳴いていると思わない?
それにはこんな理由があるんだ。
むかしむかし、お母さん蛙と子どもの蛙がいたんだけど、子どもの蛙はお母さんの言うことを全然聞かないでいつも反対のことばかりしていた。
ある日、お母さんが病気になってしまって、子どもにお墓を作ってもらうことにした。
でも子蛙はいつも言われたことと反対のことばかりしていたから、本当は山の上にお墓を立ててほしかったんだけど、お母さん蛙はわざと「川のそばにお墓を建てて」ってお願いした。
やがてお母さん蛙が死んでしまって、とても悲しんだ子蛙は「最後くらいはお母さんに言われたとおりにしよう」と川のそばにお墓をつくりました。
ある雨の日、川の水があふれてお墓が流れそうになって、子蛙は川に飛び込んで「ゲコゲコ墓流れる」と泣きながら必死にお墓を守った。
それから雨が降るたび子蛙はお墓を守り続けた。
雨の日に蛙が鳴くようになったのはここからだそうだよ。
ゲコゲコハカナガレル
川村回想| お客さんから人気の高かった飛騨に伝わる昔話。僕が以前から使っている影絵キャラクター「カエルのヤマダ」と、新たに制作した母カエルが登場します。竹やぶで寝てばかりいるカエルの子供をコメディタッチに演じましたが、後半で母カエルが亡くなってしまうと、観に来ていた子どもからが「カエルのお母さん死んじゃったの??」と心配そうに聞かれました。このエピソードが子ども達に届くといいな、と言っていた佐藤さん。ちゃんと届いていると思います。