- エピソード15 | 李留美・みさと
- コンコント
子どものころ住んでた家の近くに崖があって、その下に清水が流れてたんだよ。
清水は、岩と岩の間からひんやーり冷たくて、きれいな水がコンコンと湧き出てたんだよ。
小学校の帰り道、友達と喉が渇くと清水によって、冷たい水をゴクゴクゴクゴク飲んで、花や草をとったり、水面から頭を出している石をピョンピョンピョンって跳んだりして遊んだんだよ。
当時は水を汲みに来る人や、セリを取りに来る人がいて、夏にはマスつかみ大会があって、みんなで楽しんでいたんだよ。
でも今清水はね、木や草がうっそうと茂って入ることが難しくて、その存在を知らない人が気が付かないで通り過ぎちゃうような場所になっているの。
あそこには、子どものころ、友達と家族とこの土地のみんなと過ごした、とっても素敵な場所があるんだよ。
コンコント
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