私は山形に来て以来、風が良いときにはパラグライダーで空を飛んでいます。三角形の固定翼はハンググライダー、パラはパラシュートみたいに骨が無いグライダー。空気が入ると翼形が形成され滑空します。パラの楽しみのひとつは、山の地形、太陽の位置、風の方向、積雲の出来具合などを観察し、上昇気流(サーマル)を見つけその中で旋回を続けることです。とんびが羽ばたかずくるりくるりと回し上昇していく状態と同じ。時によっては +1000m上がることもあります。雲の底まで行くこともしばしばです。
先日、南陽市赤湯にある<高つむじ山>から向かい風の弱いときに強引に離陸(TAKE-OFF)しようとした。浮力がつかずそのまま下に茂る潅木bushにつっこむ。かなりの急斜面であったため10mほどころげ落ちる。山形大生のフラーヤーたちに救助されました。
まともに考えると、グライダーが完全にインフレートせず揚力を感じなければTAKE_OFFは即座に中断してるはず。しかし、そのときの気分は、<Speedつければグライダーは浮いてくれる。> そのまま飛び出せると過信。魔がさした瞬間である。事故が起こる典型的な過程です。ひとつをクリアーしてから次のステップに行く。これが安全に飛ぶ基本です。
大学では3D_CGやってます。もちろんパラとCGとはまったく関係ありまん。飛んでるときは、飛ぶことに夢中で、そのほかのことは、まず何も考える必要がありません。しかし3次元の空間観察・体験は、現実、仮想どちらも最高に気持ちが良い。
(画像:ホッカイロを体中にたくさん貼って海抜1400mの高高度フライトに臨む。1月厳冬期、後ろは日光の山々。)