半農半映画プロジェクトを経験して
今回は主に製作助手として撮影に参加させてもらった。私は製作部のしごとを通し、撮影の進行状況や各部署のやるべき仕事を広い視点で見る事ができたように感じた。それは各部署がどんな準備の仕方をしているかをそれぞれ見る事ができた事や、時には準備の手伝いをする事ができたからだと思う。それぞれ各部署に専属で入っていた人に比べてはそれぞれの部署の仕事内容や進行の仕方は詳しく理解できたわけではないが、広く浅く学ぶ事ができたと思う。本当は今回の半農半映画では助監督助手を希望していた。それは私が一度は監督をしてみたいという思いがあったことと、段取りの組み方や現場進行の仕方をどのように考えてしているのかという事を学びたかったからだ。今回助監督としての仕事は少なかったが、製作部として現場の雰囲気を感じつつ現場の進行の仕方や段取りを見る事ができたため良かったと思っている。
又、製作の仕事を通して製作の仕事内容と必要性が以前よりも分かるようになった。例えば撮影現場にいるスタッフや役者の気持ちをいかに汲み取りお茶菓子を持って行く意味である。現場にいる人達のモチベーションを少しでも維持できるように、又良い方向に持って行けるようにするのも製作の仕事なのだと感じた。時間が押していたりする中、撮影現場の雰囲気が張りつめた緊張感に包まれていると感じる時が多々あった。そんな中お茶やお菓子を持って行くのも私にとってとても勇気のいる行為であった。もちろん持って行くタイミングなどは撮影の邪魔にならないように見計らって持って行くようにはしたが、「今持って行っても大丈夫なのだろうか?」「集中を途切れさせてしまわないだろうか」などといった様々な不安があった。正直お菓子やお茶を持って行くのも制作部のチーフから言われたからやっていたというやらされている感じも最初は少ばかりあった。その為雰囲気や緊張感に押しつぶされそうなときもあった。しかしこの仕事は現場には必要な仕事なのだと後になって気づいた。「あの時お菓子持ってきてくれたのはすごく助かった。気持ちが落ち着いた。」と言った言葉を言ってもらった事があった。これは全ての撮影が終わってから言われた言葉だが、私はこの言葉をもらった時に始めてその仕事の必要性を実感した。その為この言葉は自分にとってとても嬉しい言葉であった。
私は今回の半農半映画は自分にとってとてもいい刺激となりいい経験になったと思っている。
映像学科2年 石川純一