
台風が再上陸?といわれた雨の土曜日。ミュージアム教育論の課外授業で、宮城県美術館へ行ってきました。講師は斎正弘先生。宮城県美術館設立当初から教育普及部を立ち上げ、35年以上活動を続けています。午前の部は10歳以上を対象にした「美術探検」です。通常のギャラリートークとは異なる斎先生のお話に、みんな釘づけです。
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午後の部は10歳以下を対象にした「美術館探検(びじゅつかんたんけん)」です。「アートをみる」のではなく、「美術館という場所」を探検します。絵が展示してあるギャラリーには行きません。バックヤードツアーとも違います。こどもたちがわくわくするのは、むしろ大人に怒られそうなヒミツの出来事のほうですね。この「びじゅつかんたんけん」にはそういった要素がたくさん含まれています。
斎先生いわく、「そこはエッチなものが飾ってあるから、こどもは見ちゃいけない」というと見たくなるのがこども。通気口をのぞいてみたり、機械室の扉を開けてみたり、外でどんぐりを拾ってみたり、生垣の狭い中を腰をかがめて潜ってみたり、本当にわくわくする内容でした。
「信じる力」。「トトロは本当にいる!」と信じていれば、それはこどもに伝わります。逆に信じていなければすぐに見抜かれてしまいます。斎先生はこどもの頃、「トトロみたいなもの」(その頃はトトロじゃなくて、神社できつねに化かされるとか言われていましたが・・)を実際にみたことがあるそうで、だからこそ話に説得力があるのでしょう。こどもたちも斎先生の言葉を信じて、「トトロに会う準備」にしっかりついてくるそうです。
この2つの「探検ワークショップ」を通じて、「アートを信じる力強さ」が重要であることを再認識しました。
今週土曜日は先週の実践を踏まえて、「ミュージアムにおけるアート教育」の意義についてお話していただきます。
担当教員:和田菜穂子