村の祭り 湯坐神社の奉納角力

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8月16日からはじまった「湯坐神社祭礼」。毎年8月20日には、湯坐神社の境内にある土俵で「奉納相撲」が執り行われます。会場となるのは、共同浴場上の湯の隣にある石段を登った先の湯坐神社(薬師神社)。肘折温泉の開湯当時からその信仰を集めるとされ、地元の皆さんからは“薬師さん”と呼ばれ親しまれています。お盆前まではひっそりと静かに温泉街を見守っていたその姿も、土俵の土は整えられ、参道には幟旗にぼんぼりと、にぎやかに。この日も、温泉街の皆さんや児童の父兄、そして湯治客ら多くの皆さんに見守られながら、湯の神に奉げる熱戦が繰り広げられました。

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まずは湯の神へお参り。お堂の中では、お赤飯とお神酒が振舞われていました。

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大蔵村小学校3年生による熱戦。東、どこんじょう山、西、花の海!

この日、力士として出場したのは、大蔵村小学校3年生の皆さんと温泉街の若手男性陣。子どもたち、そして大人たちによる相撲は、それぞれ個人戦と、三人抜き、五人抜きで取り組まれます。この日の為に練習してきたという子どもたち。慣れないながらも、まわしを巻き、塩を高く撒いて土俵入りする姿は頼もしく、観客からは大きな歓声が上がっていました。

かつて彼も相撲をとったであろうベテラン行司さんが命名した大人たちの四股名も、思わず口に出したくなるのユニークさ。ほていまんじゅう(商店ほていやさんで売っているおまんじゅう。美味しい)や箱そば(そば屋)、はがずんだ(川のほとりのだんご屋さん)、その名を呼ぶ子どもたちの声に誘われ、応援にも熱が入ります。「行けー!ほていまんじゅうー!」「押せー!そばー!」

お父さん、お母さん、爺ちゃん、婆ちゃん。小さな子どもたちに、湯治客の皆さん、そして駐在さんまで。みんなで土俵を四方からぐるりと囲んで見守る相撲はなんとも楽しい。きっと湯の神さまも見に来ていたのでしょう。気が付けば、わたしたち人間以外の何かもその熱戦を見守っているような、そんな気配すら感じました。

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たくさんの方に見守られながら、熱い、夏の一戦。

長い歴史を持つ肘折に、今も毎年続くお祭り。言葉で話すだけでなく、大人たちから子どもたちへ、姿を見せて伝えていく行事や風習。肘折には、そうしたずっと続いて欲しい風景があります。

砂のついた身体を流し終わったあと、「肘折さ居でいがったと思う瞬間だなぁ、あとは雪を待つばかり!」と言いながら笑うその姿に、日本のみならず世界有数とされる厳しい豪雪に耐えながらもここでの暮らしを楽しむ、肘折の皆さんのたくましくもしなやかな生き方を感じました。

(美術館大学センター事務局 鈴木淑子)

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メインの五人抜き、第一戦で見事優勝したカネヤマ商店の若旦那カズヒコさんと奥様のエリさん。四股名は「はなの父」(今春、ご出産されました!)この夏は、BAR肘折黒の店主としても大活躍でした。第二戦、三戦では、役場に勤めるヨーダイさん、丸屋旅館の若旦那センさんと若手男性陣のなかでも若手の皆さんが優勝され、ますます勢いを感じる肘折です。おめでとうございます!

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