『東北学』 vol.6

  • 東北学06

特集:〈南〉の精神史
2002年4月25日
発行:東北芸術工科大学 東北文化研究センター
発売:作品社 ¥2,100(税込)

《目次》
●特別座談会 
〈新しい歴史〉とは何か―国民国家の帰趨と戦争の記憶― ― 姜尚中・上野千鶴子・三浦佑之・赤坂憲雄 
特集によせて 
【特集】〈南〉の精神史

●座談 
「海上の道」と南島文化―柳田国男の思想の再検討― ― 谷川健一・藤井貞和・赤坂憲雄 

●論考 
「南の縄文世界」もう一つの縄文文化 ― 新東晃一 
トカラ列島、その海洋文化 ― 徳永和喜 
キカイガシマの古代・中世 〈南〉の境界領域へのまなざし ― 永山修一 
知られざる奄美諸島史 ― 高梨修 
沖永良部島の民俗信仰 ― 先田光演 
起源論争の島 ― 安里進 
沖縄の御嶽 その聖地観をめぐって ― 上原孝三 
琉球王府と女性たち ― 粟国恭子 
宮古島・狩俣の歌謡と儀礼 ― 玉城政美 

●インタビュー 
沖縄の考古学の現在 貝塚時代・ウルマ時代・グスク時代 ― 高宮廣衞(田場由美雄・上原孝三・赤坂憲雄)

●論考 
謎の言葉「アフ(青)」の示す他界観 沖縄と共通するアイヌ語地名から読み解く ― 片山龍峯 
沖縄の田植えと「田植え歌」 アマウェーダの持つ意味 ― 竹内重雄 
〈覚書〉アイヌ文学と琉球文学 金田一京助と伊波普猷に関わりつつ ― 波照間永吉 
近代沖縄の自立と従属 伊波普猷の奴隷解放論を中心に ― 真栄平房昭 
伊波普猷における「沖縄学」の形成 日琉同祖論と比較言語学の影響 ― 屋嘉比収 
小野重朗の民俗学 その挑戦的継承のために ― 川野和昭 
ヤポネシアはどこへ行った 播種、騙り取り、そして越境するEXO ― 仲里効 

●エッセイ 
山旅土産 ― 池内紀 
おもちゃについて ― 芹沢俊介 
「ハレ」と「ケ」 ― 吉田司 
他者を承認する旅 ― 神山睦美 

●個別論考 
死と祓い 中国少数民族イ族の「祓い」儀礼と日本の祓いとの比較考察 ― 岡部隆志 

●連載 
新連載・東北と沖縄研究 東北と沖縄研究 眼前から歴史的諸相へ ― 田場由美雄 
東北の原風景⑥ 火と水の呪的コスモス 津軽修験の火性三昧 ― 内藤正敏 
美術という場から④ 斎藤義重先生の〈通俗〉さ ― 堀浩哉

●東北学の窓 
「女性天皇」論が問うもの(時評) ― 中村生雄 
多元的な「地域主義」の思想(書評・中村明蔵『隼人の古代史』) ― 菊地和博 
民俗誌という営みの行方を問う(書評・菊地暁『柳田国男と民俗学の近代』) ― 六車由実 

●巻頭フォト 
津軽修験の火性三昧・内藤正敏