京都交流上映会

京都交流上映会

 

 先日行われた京都造形芸術大学との上映会は、まさに芸工大映像学科との格の違いを見せつけられたものとなった。

 卒業制作として一年費やした私の作品を満を持して京都に送り込んだ。勿論自信作である。自分にとってもこの先「監督作品」を作れるかどうかわからないし、とにかく学生作品として最高のものが出来たと確信していた。多少の後悔は勿論あるが、それでも私は十分満足していた。しかし、そんな自信は作品を観てすぐに崩壊した。京都の作品のクオリティが高すぎるのだ。別に相手を立てているわけではなく、心の底からそう思った。思わざるを得なかった。優越感に浸っていた自分が情けなくて辛くなった。案の定、「京都造形×東北芸工トークバトル」と銘打たれた“トークバトル”は、私の主観から観て大敗だったし、おそらく客観的に観ても芸工大が負けていただろう。その後のお酒を交えた交流会もメタメタに言われ、帰りのバスでは完全に自信を喪失していた。と、随分ふがいない文章をつらつらと書いてしまったが、私はこの経験で何を感じたかというと「後輩にリベンジしてほしい」ということだ。今回芸工大からは3年生が3名同行した。この3人にはどうかこの経験を仲間と共有してもらいたい。芸工大は素晴らしい教授陣がいるし、機材も環境も備わっている。私たちの卒業制作に何の文句もなく謙虚に参加してくれた後輩達なら、素晴らしい作品を作れると思っている。ぜひ来年の交流会では対等な戦い、さらに言えば芸工優勢な上映会になる事を期待したい。

 私は卒業するが、この「大敗」は社会に出てからの活力になるだろう。この屈辱があれば、仕事に対し真摯に、謙虚に立ち向かえると思えたから。

社会に向けて覚悟を決めれた京都交流会だった。

 

映像学科4年 五十嵐英祐

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