灯ろう紹介〈3〉

 

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『地蔵菩薩たち』 若月公平(2008年招待出品)

第3回目は、共同浴場・上の湯とその周りの灯ろう達をご紹介!
ガイドマップでは26番周辺になります。

上の湯に飾られているのは版画コース教授・若月公平先生の作品です。
2008年に制作された時から、毎年『ひじおりの灯』に登場しています。

肘折温泉のご本尊である地蔵菩薩、周辺に生息する杉林などが、銅版画の綿密なタッチで描かれています。
その上をぐるりと囲むようにあるのは、肘折に古くから継承されている <地蔵講> を象徴する、大数珠。
下には、肘折地区の全世帯主のお名前が書き込まれています。

お湯とその神様、肘折に生きる人々との今も昔も変わらない関係を教えてくれるような作品です。
灯りをともすと、盆灯籠のように内側から黄色や緑の灯りがふわっと広がります。

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『西本屋・金魚風呂』 佐藤真衣(2010年出品)

今年の『ひじおりの灯』ポスターでお馴じみ、版画卒業生・佐藤真衣さんの昨年の灯ろうです。

この灯ろうが飾られている西本屋旅館さんには、お風呂に入りながら金魚が眺められる金魚湯があります。

日中でもその鮮やかさに目を奪われる灯ろうの金魚たちですが、暗くなった夜、灯りをともすとさらに迫力が…!
金魚の身体の部分だけが光って、遠くから見ると空中を泳いでいるような眺めです。

『肘折幻想』 三瀬夏之介(2009年招待出品)

上の湯のほぼ真正面に位置する丸屋旅館さん、
軒下には日本画コース准教授・三瀬夏之介先生の灯ろうが飾られています。

温泉街一帯を流れるお湯の湯気のような、もしくは肘折のカルデラ盆地を生んだ火山の噴火のような…もくもくとした蒸気の奥に、温泉街の街並みが描かれています。

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『賀登屋の日』 今枝加奈

丸屋さんのお隣、賀登屋旅館さん(別館・優心の宿 観月)には日本画を専攻する大学院生・今枝加奈さんの作品が飾られています。

館内にある湯治客用の炊事場の様子と、周辺で見つけたさまざまな植物たちの姿が、スケッチと写真をもとに描かれています。
覗きこむと、植物の花びらや葉っぱ一枚一枚が丁寧に描写されていて、
炊事場にいたってはコップ、食器、電子レンジ、ガスコンロ、歯ブラシなど…!細かい所まで再現されています。
八面体の灯ろうの中には〈賀登屋〉の文字も入って、旅館の看板の役割も担っているようです。

美術館大学センタースタッフ/立花泰香
(写真提供:肘折青年団)

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