今年の灯籠絵を納品しました。

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肘折温泉郷に設置する『ひじおりの灯』の、今年の新作が描き上がりました。
完成した28枚の灯籠絵は、鶴岡市の柿崎建具店に送られ、表具師・齋藤高子さんの工房で八角の木枠に貼られています。

6/27に大学で実施した中間講評会には、丁寧な取材(聞き書き、スケッチ、大下絵etc.)を感じさせる作品が並びました。平面の状態と、木枠に貼って光を入れたのでは印象はまったくちがうのですが、講評会を見るかぎり、今年は特に力作が期待できると思いますよ。

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中間講評に立ち会ってくださった辻けい教授(テキスタイルコース)は、「今年は、とてもよい現地取材をされている院生が多くて感心しました。このプロジェクトは〈作品の質〉は〈取材の質〉によってつくられることを実践的に学べる貴重な機会ですね」とコメントされました。
まったく同感です。

肘折温泉を盛り上げる、地域活性化プロジェクトとしてはじまり、定着した『ひじおりの灯』。この大学にとっても「地域にアートで関わること」の質やシキタリを世代ごとにきちんと継いでいく、ある種の地域文化として育っているように思います。

大学と湯治場という2つのコミュニティーが、互いによい影響を与えながら深まっている。
今年の点灯まで、あと3週間です。

宮本武典(美術館大学センター准教授)

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