10年目の灯籠絵が揃いました

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5月中旬に行った取材合宿から1ヶ月半、今夏の温泉街を照らす灯籠絵が揃いました。「ひじおりの灯」が10年続くなかで、「また今年も」と、継続してプロジェクトに関わってくださる卒業生の皆さん。今年の描き手16名のうち、13名は過去にも灯籠絵を描いたことがあるメンバーです。取材合宿で得たことはもちろんですが、参加を重ねるなかでそれぞれの中に「ひじおりの灯」として描きたいものが具体的に宿り、それらが結晶された印象です。大学院生や版画コース1年生の作品もまた、新しい目で肘折という土地を私たちに教えてくれます。10年目の夏を飾るにふさわしい、力作が揃いました。

平面のままでも素敵な作品ばかりですが、「ひじおりの灯」はあの木枠に貼られてこそ。夕刻にあかりが灯されることで、それぞれの物語が匂い立つように感じます。建築・環境デザイン学科の竹内先生が設計した八角形の木枠は、ぐるりと360℃見渡せる構造。これから、庄内町にある建具屋の柿崎さん、表具師の齋藤高子さんの手に渡り、”灯籠絵”へと仕立てられます。

先月の中間講評の際に、地区の皆さんが「私たちも時を同じくしてドキドキしている」とおっしゃっていたように、完成された作品を見るのは、描き手も地区の皆さんも同じ時期。今夏は、8月6日(土)から。霊峰月山の麓に位置する肘折らしく、8月11日(木・祝「山の日」!)には描き手を務めた作家たちが一同に集うアーティストトーク「肘折絵語り・夜語り」も開催します。

10年目の夕暮れ、温泉街に灯籠絵が灯されたとき、そこでどんな語らいがあるのでしょうか。「ひじおりの灯」の10年をしみじみと、ぜひ過去に灯籠絵を描いた皆さんも一緒に、温泉街で再会したい。会期中の週末には、おなじみ「BAR肘折黒」も登場予定です。あと半月、夏の予定を立てながら点灯を心待ちにしたいと思います。

(美術館大学センター 鈴木淑子)

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肘折温泉×東北芸術工科大学
第10回灯籠絵展示会「ひじおりの灯2016」
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会期:2016年8月6日[土]→8月28日[日]18:00~20:30(会期中無休)
会場:山形県最上郡大蔵村肘折温泉(温泉街、旧肘折郵便局舎、つたや金兵衛湯治部屋)

新作出品=浅野友理子、石原葉、金子富之、辛遊理、後藤拓朗、佐々木優衣、佐藤真衣、鳥潟由子、羽賀文佳、原田圭、久松知子、藤原美咲、古田和子、松澤幸治、山口裕子、美術科版画コース

●ARTIST TALK 「肘折絵語り・夜語り」
2016年8月11日[木・祝「山の日」]19:30~21:00
肘折温泉街(集合:旧肘折郵便局舎前)/灯籠出品者×宮本武典

http://www.tuad.ac.jp/2016/06/58620/

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