お盆明け・灯ろう紹介〈1〉

東北芸術工科大学は1週間のお盆休みが終わりました。
例年ならこの時期、学生は長い夏休みの真っ最中なのですが震災の影響で学年暦が変わり、今日から前期の授業が再開しています。

お盆の1週間、肘折温泉は仮装盆踊り大会、灯ろう流し、奉納相撲大会、のど自慢大会と怒涛の夏祭り週間!!
肘折温泉のお湯の神様を祭る、湯坐神社(ゆざじんじゃ)の祭礼が毎年8月20日と決まっているのだそうです。

この日に向け、肘折地区の皆さんはイベントの準備で大忙し。
肘折青年団のブログ『肘折青年団日誌』に、お祭りの様子がアップされています。
<案内人>として肘折滞在中の版画コース3年生・千田若菜さん、昨年に旅館・村井六助さんの灯ろう絵を制作した大学院生・金子正人君、私スタッフの立花も肘折青年団の屋台やのど自慢、相撲大会など楽しく参加してきました。

いつもは静かでのんびり〜な肘折温泉の夜、この日は浴衣姿のお客さんと地元・肘折地区の方々が入り混じり、温泉街が遅くまで、熱気と笑い声で賑わっていました。

お祭りも終り、「ひじおりの灯」も残すところあと9日…!現在点灯中の灯ろうを、この場で紹介していきたいと思います。

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『羽賀だんご店・楽園』 佐藤真衣

大学院の版画専攻を修了したOG、銅版画作家として活動している佐藤真衣さんの作品です。

銅版画の細かいエッチング技法で描かれた肘折の動物たち。人知れず森で、羽賀だんご店のお団子やお餅を楽しんでいる様子が描かれています。
夜にあかりが灯ると、背景の和紙が明るく光って蝶の羽や草木をいっそうみずみずしくさせていました。

佐藤さん、灯ろう絵を描くのは今年の羽賀だんご店さんでなんと3作目!
昨年制作した西本屋旅館さんの金魚絵の灯ろうは、今年の『ひじおりの灯』ポスター、DMでお馴染です。今年も西本屋さんで点灯しています。

『おあげ、肘折の時を刻む』 鳥谷部恵里子

早坂豆腐店さんの軒下に飾られているのは、版画専攻卒業生、鳥谷部さんの作品です。

取材の時に見学した、油鍋の中お揚げがじっくり揚げられていく様子に、肘折のゆっくりとした時間の流れを重ね合わせたことからできた作品。ゆっくり灯ろうを回すと、お揚げが油鍋から飛び出して温泉街の空を飛んでいく様子を見ることが出来ます。最後には肘折温泉の冬の風物詩・おおくら君の口の中へと吸い込まれていきます。木版画の線がくっきりとして素敵な作品です。

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山形市も肘折も、太陽が隠れている日はすでに秋を感じる風の冷たさです。
まだ8月ですが、これから肘折温泉へお出かけになる方はぜひ長袖の上着を!
日中肘折温泉のお湯にどっぷり浸かって、夜には灯籠を眺めて楽しんでいただけたらな、と思います。

美術館大学センタースタッフ/立花泰香

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