10月27日(日)「たかはた石工サミット-往年の石工の技が今蘇る」を開催した。
参加者は80名余り。遠くは兵庫県、静岡県から。福島県、宮城県から10名。心配した台風の直撃は避けられたものの時折小雨が降る肌寒い一日だった。
チーム「まちあるき」の学生らは高畠石に関するポスターを制作し、午前中、会場の壁面に展示した。石工道具の展示とあわせ、短い時間だったが協力して素早く設営をすませた。
まず主催者、町教育長のあいさつに続き、2台のスクリーンで高畠石採掘の歴史について発表した。片方は石切り工程を動画で流した。
次いで、引地さんが展示してある石工道具の使い方を解説してくれた。
実演①はホッキリヅルによる角石の石切り。これまで最後の石切職人として活躍された後藤初雄さんの仕事しか見たことはなかったが、今回、はじめて引地兼二さんがツルをふるってくれた。職人によりいくつかの動作の違いがあることを確認した。実演②は森一さん、深瀬さんによる間知石作り。ツキタガネを使った発破がけからゲンノウ割りまで一連の作業を実演してくれた。
みなさん、齢80を迎え、現役を引退して久しい。森さんは実に50年ぶりだという。本人たちは謙遜するが、体で覚えた技は簡単には忘れない。84歳の後藤初雄さん、89歳の森谷広衛さんも元気な姿をみせてくれた。瓜割で稼いでいた小梁川勝一さんも懐かしそうに昔の話を聞かせてくれた。
引地道春さんらが指導してくれたノミとセットウによる石加工、ノミ・ツルの焼き入れ(鍛冶)。閉会時間が過ぎても体験を続ける参加者がいたほど盛況だった。特に彫刻専攻の女子大生の見事なノミさばきに感心し見入っていた森谷さんの姿が印象的だった。
20代の大学生や30代の若いひとたちがおおぜいきてくれた。
「生身の体と道具一つで石を切る」
石切り体験をした若者たちは何を感じただろうか?