歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
*
2013-01-15

土器作りをやめた理由

1月3日

早起きしてNT村に車をとばす。年暮れ、陽が落ちてからようやく探し当て、再訪を約束した村だ。6~8年前にやめたというが、元村長の仕切りで、往年のポターたちが土器作りを見せてくれるという。もちろんタダとは言わないが。

 

8時半すぎに村に着くともう準備ができていた。経験者7名中(20名とも)、5名が集まった。4名は50歳以上であるが、Bさんは38歳、妊娠4カ月。まだ若い。土練り→台上成形→手持ち叩きと、全工程を、4器種すべてで再現してくれた。いつも作ってるような手際の良さ、久しぶりで楽しそうだ。時折、互いに品評し合う。よく聞くと、前日練習で10個ほど作ったそうだ。また、2年前にも注文があって、儀礼に使うモーナムを30個作ったらしい。土器作りをやめたといっても終わり方は様々である。

 

NT村は南3kmのNL村から分かれた。当初5軒から始まったという。Lさん(52歳)の親が移住1世なのでまだ新しい。6~7年前に電気が来た。15年前に町のほうへ出る道路ができた。それまでは行商に来た人の物を買っていたが、この道によって、買い物に出るようになったり、働きに出る人がでてきた。ベトナム商人が売りに来た金属鍋(ベトナム人が持ち込んだ鍋という意味で「モー・ベット」といい、「ツケ」で買えたという。)が広まり、土器が売れなくなった。売りに行くと値引きさせられる。価格競争に負けたんだよと。

 竹かごに土器を入れ、ハープ(天秤棒)に下げて、4~5人で周辺の村に売りに行ったそうだ。売れるまで帰って来れないんだよ。だんだん売れなくなってきたのと、年取って疲れるので止めたさ。田では土器に代わって割れにくいプラスチック製の水入れを使うしね・・・・。昔からやってた機織りも4~5年前に止めたよ。これも他の村でもよく聞く話だ。

 

明日は午後4時頃から野焼きを見せてもらうことになった。急きょ、サワンナケートに移動する。

 

帰りにまたまたタンブン、みんなさわやかな笑顔だ。明日はサイブリーで二つの村を探してからここに戻る。

 

 

 

最近の投稿

最近のコメント

アーカイブ

カテゴリー

メタ情報

東北芸術工科大学
TUADBLOG