ここでめずらしい「キリハライ」という切り紙で作った正月飾りを見せてもらった。家の壁に貼り、来る年の幸福や五穀豊穣を祈願し、お祓いするものだという。置賜地方独特の文化のようだ。
12枚一組は「1年バライ」。末広がり、宝船、鶴亀、農作業の様子などが見事に表現されている。
もう来年のために制作を始めているそうだ。切り紙は型があるとはいえいまでも手作業なので時間がかかる。
また台所にはる竃神や神棚まわりに貼る歳徳神等の刷り物もみせてもらった。お宅には版木があって、かつては周辺の社家からも12月になるここに来て、一枚一枚刷っていったそうだ。今では印刷になった。
キリハライの中央、竃神、歳徳神にはみな「鳥居」が描かれている。
夕方立ち寄った神社で「石工太郎左衛門」の鳥居を見つけた。江戸期に高畠で活躍した石工である。貫に年号を、柱に願主や施主、自身の名前をダイナミックに入れる。