久しぶりに野焼き場に煙が上がった。
洋画の院生が土器でトチノミのあく抜きをした。制作のテーマが木の実食だという。
民俗例を聞き書きし、本も読んで木の実食の歴史を勉強して、実際にやってみたいという。
生(水浸け)のトチを味見し、加熱したアクを舐め、トチを齧る。そして、灰合わせした煮汁を舐めて、びっくり!
芸術を志す学生がリアルを求めて世界を広げようとしている。表現の根幹に何があるのか。自分とは、人とは、人と人の関係(社会)とは、人と自然の関係とは・・・・そんな問いを持った時、われわれは彼らと同じ土俵で話ができる。
作品は頭や技が生み出すのではない。自分自身を肥やし、己を表現するのだ!
恩師の言葉である。
おもわず、がんばれ!と応援したくなる。