歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2016-09-04

ラオスに行ってきました!~4日目 壷酒班

 今日からはいよいよ日中を通してC村での調査が始まりました。複数の班に分かれ、それぞれ別の家にお邪魔させてもらいながら、興味のある事を通訳を通してつたない英語(笑)で質問しながら過ごしていました。

 

 私は「壷酒」班として、Sさんのお宅で伝統的な酒のつくり方を教えて頂きました。写真はうるち米を蒸している様子と、土器の中で完成したお酒です。お酒造りには様々な工程がありますが、奥さんは時折腰を休め、雑談を交えながら話してくれたので、ゆっくりとした時間の流れを感じながらの良い調査ができました。

うるち米を蒸す 食べ残しを乾燥させ、蒸し直してお酒にすることもあります 土器の中で発酵させた壷酒 みんなで回し飲みしました

  その合間で私はSさんのお宅に集まっていた4、5人の子供たちに興味を持ちました。子供たちも、私たち外国人に興味があるようで、決して近寄っては来ないのですが、常に注目されていて、私も注目せざるを得ない、双方にらみ合い!(笑)という状態になりました。私はかつての留学経験で、言葉が通じない相手と手っ取り早く仲良くなる方法は「満面の笑顔」で接することだと感じていたので、普段動かさない表情筋を酷使しながら、まずは手を振ることから始めました。すると子供たちもニコッと笑い、手を振り返してくれました。

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  後でわかったことなのですが、この子供たちはSさんのお宅の子供ではないそうです(笑)この村では動物だけでなく子供たちもとっても自由なのでしょう。ほほえましいです。

 

 それからお酒の調査がひと段落つくたびに笑って手を振って、笑って手を振ってと繰り返すと、あちらも私たちが怪しい人ではないとわかったのか、近づいても怖がられたり、嫌がられたりということがなくなり、むしろ照れているような、もじもじとした態度をとってくれるようになりました。私はそれが嬉しくて、(精霊信仰ということもあり、失礼になったり良くない行いに当たる可能性もあったので躊躇しましたが)頭をなでたり、肩を叩いたり、今度はスキンシップを多くとるようにしました。子供たちは構ってくる外国人が面白いのか、ケラケラ笑いながらこちらを指さしていました。

面白がられているなら好都合で、調査の合間に腹をくすぐったり、ハンモックを揺らしてみたり、追いかけるモーションをしてみたり。そうしているうちに子供たちとすっかり打ち解けられて、言葉はわからなくても「もっと遊ぼう」と目で言われているのがわかるくらい、仲良しになれました。

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 とにかくこの村の子供は目がキラキラしています。警戒心はありますが、人嫌いせず、あらゆることに興味津々!という感じで、見ていて眩しく思うほどでした。日本では中々こういう子供たちは見ないなぁと思いながら…

 

 そろそろお昼を回り、みんなと合流して休憩しようという頃合いには、子供たちに袖を引かれ遊びに誘われるほどの仲になれました。その子供たちの中で一際私の目に映ったのは、写真手前のピンクの服を着た周りの子より少しだけ年上そうに見えるお姉ちゃんでした。

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  この子は見ている間ずっと本当の弟、妹ではないだろう子たちの面倒を見て、「それはしちゃいけないよ」というようなことを言い聞かせていたり、でも本当は一番外国人に興味を持っていそうだったり、お姉ちゃん役をしながら自分は一歩引いて冷静でいようとする健気な姿を見せてくれて、それがなんだか長女である自分と重なったりして、研修旅行から帰ってきて数日経った今でもあの子の顔を忘れられずにいます。

 例え日本でなくても、お姉ちゃん役というのは世界共通なのかもしれないという発見や、C村の子供たちの笑顔に中てられたことで、最初はぎこちなかったであろう私の笑顔も最後には自然に笑顔になっていたので、この子たちはすごいパワーを秘めているなぁと体感しました。C村の子、とてもかわいいです。

地面に描かれた男性の横顔

  最後に村の子供たちが描いた落書きで締めくくりたいと思います。男の人が横向きで描かれています。手の癖からおそらく右利きの子が描いたのだろうということはわかりますが、少年を描いているのか男性を描いているのかはわかりません。でも見るからに相当絵が上手いと思います。この絵は、日本の子供の絵と比べてどうでしょう。日本の子供が描く人の絵は大体正面を向いていると思います。この捉え方の違いは一体どこから生まれるのか、とても興味深いです。次また村へ赴く機会があれば、クレヨンと画用紙をもっていって、どういう色使い(色認識)をするのか見てみたいです。派手な色が好きそうだなぁ。

 

 

 このように、調査初日だけでも村での体験は興味深いことばかりでした。私たちと人間性の違う所や似た所がどちらもある中で、子供というのはそれが表情や態度・行動によく表れるように思います。言葉が通じなくても遊んでみるだけでたくさんの発見があって、ベタですがとても楽しかったです。もちろん調査内容はしっかり記録していますので、ただ遊び呆けているだけというわけではありませんので安心してください。(笑)

 余談ですが今回のラオスでの調査内容は展示発表するようです。私が調査したお酒のことや次の記事で出てくるアレソレも詳しくはそちらの展示に乞うご期待です。

 

 では、次回の投稿もよろしくお願いします。

(BILLY)

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