歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2016-09-05

ラオスに行ってきました!~5日目

前日に引き続き、今日もC村にて調査です。

 

私たちは毎朝、ゲストハウスで朝食(パンやバナナ、お菓子、ドリンクなど、食べ放題、飲み放題)を食べ、7:30には出発します。

村で食べる昼食を買うためにアッタプー旧市街の市場へ。市場には野菜や果物はもちろん、魚や衣類製品など多くの品物が並びます。

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2 3 メコン川をはじめとする多くの川が通るラオスでは、淡水魚が食卓を彩ります。

日本では観賞魚として売られている魚も食用として売られており、写真ではナイフフィッシュが並んでいます。他にもコイの仲間や、ナマズの仲間など、ゆっくりとした流れの川に生きる魚が多く見られます。また生きているナマズは食べることもあれば、川に逃がしてやって徳を積む「放生」の習俗にも使うそうです。市場の裏にはセーコン川が流れています。 

セーコン川で魚を放すミムさん(2015年9月)

 

 

さて市場で食料を確保した後は、例の悪路を進み、C村へと向かいます。3日目になるとだいぶ慣れてきましたが、時々「ドーン」と窓に頭をぶつける音が聞こえてきます。

 

今日はある食材を使用した料理を作って頂く約束をしています。

あれ?村に着くと人がいない・・・・・

実はあるお宅の主人の快気祝いで、朝から村中の人が集まって大宴会!

40度超のラオ・ラーオ(焼酎)をあおり酔っぱらっています。

こちらからもお祝いを贈り、回し飲みの恩恵にあずかりました。瓶の中には体にいいという樹木片が入っています。 

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負けじとラオ・ラーオをあおるBさん。

なかなかやるな、この若者・・・と村人。

 

 

3人いるC村シスターズ(アシスタント)の一角、Mさん

シンの仕立てをするMさん。敷物は竹編み 

 

 

 

因みに昨日壺酒班がお酒を造っている頃、私は敷物班としてNさんとOさんにお話を伺っていました。初日に田んぼのあぜ道でみたドゥーイといったアロエのような植物を乾燥させ、「パァ」という万能の鉈(ナタ)1本だけ使って敷物(現地の言葉でガディオ)を作り上げます。採取後、葉の両側面の棘をカット。天日乾燥、ロールにして保管。編む前に縦に3分割(幅1㎝程度)。

驚くことにこの敷物は接着剤や紐を全く使用しません。全てこのドゥーイだけを使って端も織り込んで行きます。およそ日本の畳1畳分を2日で作り上げるそうです。作りも非常にしっかりしており、村では敷物のほか、敷布団として使用するとのことでした。Oさんは昨年編んだストックがあったので1枚譲ってもらいました。 4

 

 

そして今日のメインのある食材を使用した料理ですが、ある食材とは“バッタ”になります。日本でもイナゴの佃煮やハチノコなどが多く食べられていますが、それ以上にラオスでの昆虫食はとてもメジャーです。魚と同様貴重なタンパク源でもあり、市場でも同様のバッタがネットに入れられて大量に売られていました(青いネットの中身はすべてバッタ)。

 

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元気なトノサマバッタ 

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そしてこのバッタですが、日本で言うトノサマバッタに近いです。大体全長5cm程。羽もしっかりあります。生きたままでは準備しづらいので、このバッタをお湯にさっと浸けてから下準備が始まります。慣れた手つきで次々に処理されていくバッタ達。せっかくなのでお手伝いさせていただきました。 

下準備を終えたバッタは炒められていきます。見た目はこんがりとし、美味しそうな匂いがします。他の調査班と合流し、昼食で一緒に食べることになりました。

味は言うならば小海老の素揚げに近い味。とても美味しいです。正直イナゴの佃煮があまり好きではなかった私でしたが、日本でも佃煮だけじゃなくてこのように調理したら流行るのではないかな、と思います。

 

 

昼食を終え、午後からは村の子供たちがよく行くという山の滝に向かいました。昨日観察した竹細工やフェンス用の竹がそれぞれどんな環境にどのように生育しているのかを見に行くというのが最初の目的だったんですが、なぜか先導してくれたガールズたち目論見に引きずり込まれていくのでした。ちなみに昆虫調理を教えてくれたSさんはこの村で生まれたのに行ったことがないとのこと。初体験だと喜んでいました。

途中、友達を誘うために電話する女の子。3~4年前に村に電気がきてから若者の間には携帯、スマホが普及しています。

 

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「いまから滝にいくんだけどさぁ。。来ない?」と携帯電話で友達を呼ぶ

 

 

この日は晴れ、ただでさえ汗が止まらないような気温と湿度。滝までは細いあぜ道を歩き、川を越え、山を登ります。15~16歳の彼女たち普段から竹や薪の伐採に通っているので足取り軽く、何とかついてくる私たちを何度も振り返りながら、適当な場所で休憩しつつ案内してくれました。途中、むき出しの岩やら水たまりやらものともせず、ひたすら山道を登っていきます。普段使わないような筋肉を使い、多大な疲労を感じながらやっとの思いで登っていくと大体山の中腹ほどでしょうか、忽然と滝が現れました。

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滝に着くと4人の少女たちはためらいもなく、滝つぼに飛び込み、楽しそうに潜ったり、水を掛け合ったり。これを見ていた私たちも誰からともなく仲間に加わっていったのでした。

水は少し冷たい程度で、入れば暑さもいっきにひいていきます。あのSさんも少女に混じって実に楽しそうでした。

滝つぼは深いところでは足が立ちません。水しぶきを浴びながら小一時間、みんなで遊びました。

ちなみに竹細工班のK君は一人残り、Pさんの仕事をつきっきりで覚えていたのでした。

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滝から帰った後は、15:00すぎに約束していたJさん家に集まり、庭でカプーン(米の麺)作りをしました。朝、杵で搗いたうるち米を袋に入れて寝かせておきます。これをそのまま20分ほどお湯に浸け、臼に出します。発酵したような独特のにおい。20分ぐらいみんなで代わるがわる搗きました。杵の先端がくっつくので、グリップを半ひねりほどして持ち上げるのがコツです。次いで熱湯を加え、手練りします。木工ボンドのよう。さらにぬるま湯を加えて練っていくとペースト状になり、これを渦を巻く大鍋の中に絞り出すとカプーンの完成。出来上がった麺をお土産にもらって帰ることにしました。

 

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湿った地面の上で、いとも簡単に火を起こす…

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まわりには村の子供たちが集まり、日本から持っていた折り紙で飛行機や鶴を折りました。

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最後に。「水は命の源」という言葉がありますが、自然と深く結び付いて暮らすラオスの人たちにとって、まさに水(川)は生活全般に関わる重要な存在となっていました。

飲料水はもとより、食糧となる魚の捕獲、稲の栽培、それに集まる虫、川で遊んだり涼んだりなど・・・

蛇口をひねれば水が、スイッチを押せば空調がきく場所ばかりで、水がどれだけ重要なのか忘れていたのではないかと気づかされたように感じます。

 

 

さて明日がC村調査最終日です。

次もどうぞよろしくお願いします。

(SAKURA)

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