世界遺産を目指して着々と調査研究が進められている。
鶴子荒町遺跡では16世紀末~17世紀初めごろのごく短期間に形成された鉱山町と工房の跡、道路跡がよく保存されている。その一角から見事に精練場が見つかった。
近世初期の城普請や城下町建設、民衆や武士の高揚を経済的に支えた金銀。本土から離れ、ひっそりと山の中に埋もれた遺跡ではあるが、往時の活況を彷彿とさせる空気が感じられた。
一方、金山観光のメッカである相川では近代の三菱鉱山の建造物等が重要文化財、史跡に指定されている。ここでも石垣の保全は厄介な問題になっている。近代(大正・昭和)の練り積み石垣が崩れ、トンパックで覆われている。どんな価値を認め、どんな方法で保存、継承していくのか?新たな問いが生まれている。