一山越えて国見石(福島県伊達郡国見町)の里を訪ねました。
ゼミの学生二人と某女子大のO先生が一緒でした。
まず役場で職員から福島県産石材のレクチャーを受け、それから車で町内を案内していただきました。国見石は近代の史料のなんと多いことか。羨ましい限りです。
私たちの車の中は異様な興奮に包まれました。石蔵や石塀がそこらじゅうにあったからです。一番驚いたのは同乗していた役場の人たちだったかもしれません。小坂では戦前と戦後の蔵が仲良く並んでいました。
ある石屋さんのお宅には大正6年建造の石蔵や図面が残っていました。栃木県の大谷から昭和40年ごろに導入した整形用の機械が今も現役で活躍。表面加工のローラーは2種類あって、それぞれ見たことのある痕跡だったので、「これだったのか!」と納得しました。
これに乗って削れられる石の気持ちになると、身が細る思いです。機械導入によって石の表情が一変しました。年代の基準になるので石蔵の時期を知るのに役立ちます。
石の町にもそれぞれ個性があって興味がそそられます。国見がなぜこれほど蔵が多いのか。国見は大谷の影響を色濃く受けているのに、なぜ高畠はほとんど受け入れなかったのか?
2年間高畠をあるいてきた学生たちが比較する「定点」を持っていることは強みです。
中国産間知石。こうやって入ってくるんだ~