歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2014-02-01

感動のカウントダウン

 

年越しのターペー門(チェンマイの東門)広場のカウントダウンイベント

 

 

12月31日(火)

 ピン川のほとりにたたずんで読書していると、5~6匹のナマズの入った袋を持った人が続々と現れた。道端で売っている親父から袋単位で買って川に放してやるのだ。若いカップル、夫婦、家族連れ。魚を川に、鳥を大空に放つ。仏教の善行の一つだ。日本にも古くから放生の習慣は伝わっている(放生会)。

 川岸にナマズを放つと彼らは底の浅い泥に身を寄せしばらくその場所を離れない。客が帰っていくとナマズを売っていた親父が網を持ってやってきて、これをまた捕まえようとする。なぜか滑稽に見えてしばらく見つめていた。

 

ふと思い出した。今日は大みそかだ。 

 

 

 

 

夕食を食べてふと夜空を見上げると、大きな明かりがポツリ、ポツリ飛んでいく。そうか、これがあの「コムローイ」かぁ。きれいだ・・・・。 

 

コムローイはチェンマイのロイクラトン祭り(陰暦12月の満月の夜)の風物詩で日本からも毎年ツアー客が押し寄せる。年越しの大みそかは旧市街ターペー門広場で上げられる。かねがね一度は見てみたいと思っていた。

 

カウントダウンのあるターペー門のイベント広場はロックコンサートで歩けないほどの人だかり。広場は人種のるつぼで様々な言語が飛び交う。「FREE HAGS」のボードを掲げてハグする女の子たち。沿道は歩行者天国で延々続く屋台。即席マッサージもある。こちらも人、人、人・・・。

 

 

 

 

その傍らで、天の仏に感謝の気持ちを捧げ、日々の生活が安寧であるように厄払いの意を込めて、コムローイを飛ばす。家族が、恋人同士がそれぞれ願いを込める。着火してから空気が暖まるまで待つ時間が格別だ。そして高く舞い上がれと手を離す。ふわりと揺れながら夜空に吸い込まれていくコムローイを見つめる。その表情がまたいい。

20B、40B誰でも何個でも買って飛ばすことができる。街中でやるので街路樹や電線に引っかかって燃えているのもある。花火を付けて飛ばす輩もいる。予想通り火事になったこともあるそうだ。

 

 

 

 

 

カウントダウンに向けてその数は徐々に増していく。一体何万、何十万のコムローイが飛ぶのか。そして大輪の花火がバンバンあがりついにその時を迎える。その迫力と美しさは筆舌に尽くしがたい。ロイクラトン祭りのコムローイ一斉上げは、夜空を埋め尽くす規模でこの比ではないという。恐るべしチェンマイ。

 

 

火が消えるとコムローイは落ちてくる。翌朝の街中がどうなっているか。想像通りの光景だった。 

 

 

GHのそばのお寺。この時期寒いのか寺に住む猫や犬は服を着せられている。脇侍の様に寝転がる子猫 

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