歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2013-09-15

石鳥居をあるく 第2弾

第17回まちあるき、3年目にして初めて雨だった。

 

今日は石鳥居の2回目-高畠町南部の和田地区を歩いた。山間部、山麓部にたくさんの石鳥居が眠っていた。4班に分かれ、今日だけで40か所あまりの石鳥居をまわった。皇太神宮などを除くと、明神系鳥居が圧倒的に多い。

 

山の神、雷神(水神)、稲荷、火伏せの神、毘沙門天、千手観音など、さまざまな神仏を祀る。

村の鎮守だけでなく、個人宅や一族で祀る小規模なものも少なくない。住民たちが、人知のしれない自然を恐れ、感謝しながらその懐で真摯に生きてきたあかしである。

 

高畠の石鳥居は江戸中期~幕末に盛んに建てられ、その後、何度も修理しながら現在にいたっている。

ここは豪雪地帯である。また、凝灰岩にとってもっとも怖い凍結融解が頻繁に起こる地域である。そのせいで鳥居は倒れたり、部材が折れたりしやすい。折れたものはたいがい神社の片隅にひっそりと眠っている。

 

実際にまわってみて、倒壊したものや傷ついたものの多さが印象に残った。去年、雪で落ちた笠木・島木を上げたばかりなのにまた落ちた鳥居もあった。新潟地震で倒れ、木製に変えたものもあった。個人で祀っているため経費のせいで倒れたままにしてある鳥居もあった。大きなカシワの木の根元に石碑だけおいて祀っている神もある。一方で山の神講や古峰ケ原講が生きている地区もある。

 

一部で、石鳥居の所在が「におい」でわかるようになってきたとの声。それは地形や植生、集落構成を読むことだ。ちょっとは住民の目線に立てるようになったのかもしれない。

 

石鳥居を記録することは、高畠石の歴史をたどる作業であると同時に、この地に暮らしてきた人々の信仰のありようとその変化から、地域社会の現状と将来を考えることでもある。

 

 

 

 

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