歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2017-10-07

竹原ゼミ旅行 最終日

ゼミ旅行の最終日は大阪の万博記念公園に行ってきました!

9月10日の大阪は朝から真夏のような暑さ、秋口とは思えない炎天下に竹原先生とゼミメンバーは少々ぐったり。

しかし、モノレールから大阪万博の象徴的なオブジェである「太陽の塔」が見えた途端、ゼミメンバーのテンションは急上昇!旅の疲れも一気に吹き飛んだ模様です。

白を基調としたボディに赤のラインが特徴的な太陽の塔は、大きく腕を広げたようなシルエットが秋晴れの青空によく映えていて圧巻でした!

 

 

この日の万博公園はガレージセールや子ども向けイベントが開催されていたようで、朝から多くの人で賑わっていました。

私たちは万博公園内にある国立民族学博物館(通称みんぱく)を見学すべく、太陽の塔やパビリオン跡を通り抜けて公園内を奥へ奥へと進みます。

関西弁の陽気な警備員さんにチケットを見せてゲートを抜けると、目の前に大きな建物が!

目的地に到着です!

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とても広いです!

ここ国立民族学博物館は、世界の諸民族の社会と文化について研究し、民俗人類学・民族学の考え方に基づいてその成果を展示する「博物館を持った研究所」です。「世界の民族文化に優劣はなく、様々な文化の間にみられる違いも、同じ時代を生きる人類の豊かな多様性である」という考え方のもと1977年11月に開館しました。

展示はオセアニアから東回りに世界を一周し、最後に日本にたどり着く構成をとっていますが、基本的に広い館内における3つの展示スペース、Aブロック~Cブロックのどこからでも見学できるようになっています。私は途中からCブロック(中央・北アジア~日本)を逆走してしまいました(笑)

 

私たちはオーソドクスにブロックのオセアニアの展示から見学を始めました。

優れた航海術を持つオセアニアの人々の間で伝統的に使われてきた大型カヌーが来館者を出迎えます。

館内世界一周の出発点にふさわしい展示です。大きい…!

出発点は同じでしたが、その後は各自で興味を持った展示を自由に回りました。おのおのが自由な館内航海を楽しんだようです。

私は途中で航路を見失いました(迷子になりました)

 

 

時間的な制約もあり全ての展示をじっくりと見学することはできませんでしたが、その中でも私が特に印象に残ったのはアメリカの展示スペースに顕著にみられた「土着信仰とキリスト教の融合」でした。

15~16世紀の大航海時代にヨーロッパの人々によるアメリカ大陸の「開拓」や先住民族の圧迫が行われたことは有名な話ですが、そのような西洋文化の押しつけにより土着文化が変容せざるを得なかったこともまたよく知られた話です。

しかし、この展示ではそのような事実をネガティブに捉えず、先住民族は虐げられながらも自分たちの見方でヨーロッパ文化を吸収した結果として新しい文化が誕生した、というポジティブなスタンスで展示が行われており、非常に興味を持ちました。「世界の民族文化に優劣はない」という国立民族学博物館の考え方にも通ずるものがあり、とても共感を覚えました。

 

例えばアメリカの展示ブースに入るとすぐに「パチャママの門」と呼ばれる特徴的な祭壇が目に入ります。

これはアンデスの地母神パチャママを聖母マリアとみなして祀られている祭壇で、キリスト教的な天使とアンデスの宗教世界を体現するコンドルが同時に描かれており、土着信仰とキリスト教の融合が見て取れます。

 

また少し先に進むと、大きな牛の仮面が展示されています。

メキシコのサン・セバスティアンの祭りで使われる舞踏用の仮面です。キリスト教も牛もスペイン人が伝えたものですが、今ではメキシコ人の信仰に深く根づいていることがよくわかりました。

 

土着文化とヨーロッパ文化の融合は宗教だけではありません。

アンデス衣装の展示がそれをよく表していました。

アンデス衣装の大きな特徴的は、耳までを覆う特徴的な帽子です。数年前に女性に大流行した耳あて付きニット帽と似たような帽子で、丸みを帯びたシルエットが心惹かれます。しかし、元々アンデスの人々の間では帽子をかぶる習慣はなかったのだとか。

アメリカ大陸に限らず、「伝統的」と呼ばれる民族衣装や装飾品の中には、植民地化の過程で持ち込まれたヨーロッパ起源のものが多くあります。

 

また個人的にとても印象的だった展示は、メキシコにおける「ガイコツ祭り」で飾られるガイコツ人形です。

一見不気味なガイコツたちですが…なんと!みんなで仲良くテーブルを囲んでトランプをしているのです!テンガロンハットをかぶったオシャレさんもいます。なんて可愛いのでしょう…!(※個人の感想です)

メキシコでは紀元前から祖先のガイコツを身近に飾る習慣があり、それがカトリックの祝日と融合してできた祭日が「死者の日」通称「ガイコツ祭り」なのだそう。

それにしてもキュートです♡

 

 

広大な館内はとても半日では回りきれない充実した展示内容となっていました。開館40周年記念特別展である「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」は時間の都合で見学することができませんでした。残念。

次回、もっと時間をかけてゆっくりと見学したいです。みんぱくリベンジ!

 

万博公園内で昼食を済ませたあとは、空港でお待ちかねのおみやげタイム!

家族にお菓子を買ったり、友達に雑貨を選んだり、思い思いの時を過ごしました。

私はこの時間に551蓬莱の豚まんを頂きました。とても美味しかったです^^(おみやげもちゃんと買いました) 

そして15時の便で帰路へ。仙台空港で解散しました。

 

5日間の長い研修旅行でしたが、神戸、徳島、大阪で様々な場所を見学し、そして祖谷は密度の濃いフィールドワークを行い、とても実りのある旅行となりました。この旅行で得たものを大学での学びにも生かしていきたいです。

竹原先生は運転お疲れ様でした。ありがとうございました。

5日間の旅行を盛り上げてくれたゼミのメンバーにも感謝です。

 

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楽しかったね!

 

(3年 槇)

 

 

 

 

 

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