歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2013-11-11

赤松氏の山城-置塩城

 

兵庫県にある中世山城-置塩城に登ってきた。

山頂からは瀬戸内海に浮かぶ家島、淡路島、小豆島が一望できる。

 

場所は旧「夢前(ゆめさき)町」。合併されていまは姫路市に属する。日本で唯一「夢」のある自治体名だったらしい。

 

あたりまえだが山城は登るのがたいへんだ。簡単に登れるようでは山城ではない。

地元の保存会の方々が遊歩道を整備してくれているのでまだ歩きやすいが、標高350m(比高300m)の山頂まで一気にのぼる。丁石が設置されていてまだかまだかと数えながら登る。ゴールは「十八丁」。

山はよく手入れされ、景観に配慮した案内板やたくさんの樹木札がかけられている。地元の方々の想いが伝わってくる。しかし、イノシシは相変わらず縦横無尽。地面のあちこちを掘り散らかしている。表土が浅いので、遺物が露出する。困ったものだ。

 

置塩(おきしお又はおじお)城は播磨守護-赤松氏の居城である。

赤松氏といえば室町将軍6代義教を暗殺した赤松満祐が有名だ(嘉吉の乱)。城は応仁の乱後に守護となった赤松政則が築城したとされてきた。発掘調査の結果、16世紀半ばから石垣や瓦葺き建物をもつ屋敷が本格的に整備されたことが分かってきた。その後、天正年間に秀吉軍が入ってきて城割り(破却)されるまで続いた。

 

姫路城で生まれた黒田官兵衛は置塩でも活躍したらしい。そこで大河ドラマを見込んだ地元の観光熱がわきあがってきた。そのせいでもなかろうが、懸案だった史跡の保存管理計画策定、整備事業がこれからはじまる。

長年、史跡を大切にしてきた地域の人々の熱い思いがこれから実を結ぶ。

ただ、史跡の保存管理には観光化とのあいだで難しい問題がいくつもある。関係方面と合意形成しながら未来の人たちに土地の歴史をつないでいかねばならない。

 

 

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