12、13日の二日間、4人の方々から集中的に石切りの話をうかがった。
これまでは「まちあるき」のなかのヒアリングであったが、今回はお宅に上がらせていただき、それぞれのライフヒストリーに耳を傾けた。学生たちには、分かりづらい話は図解、実演し、時には山に出向いて往時の話をしてくれた。若かりし頃の写真もみながら。
石切りの皆さんは大正13年、昭和9年、10年生まれともう80歳、90歳のご高齢だ。それぞれ人生を振り返りながら、遷ろう社会のなかで石切りの仕事とどう向き合ってきたか。
貧しさや米を食べるために、暑い夏も、雪の冬も石を切った。ひたむきで一途な生き方は美化されがちだが、人生の節目節目で迷いや逃避もあった。そこで何を考えどう行動してきたか。
語り終えたとき、学生たちに向けられた眼差しと笑顔が忘れられない。
若者に託そうとした職人たちの思いを感じただろうか。
ユニックやレッカーを使わない時代、6人と棒一本(一本坊主という)で笠木をつりあげ石鳥居を施工した話。実に興味深かった。