三日目からは漣川郡全谷里に会場を移して、国家史蹟全谷里遺跡公園で第23回・旧石器祭りが始まりました。まず全谷里遺跡公園に入って思った事は、とにかく広く、テントの数も多く、どれも凝ったものばかりでした。前回と同様、日本代表のブースでは黒曜石や山形県の頁岩、九州の安山岩等を使った石器づくりの体験を行いました。また日本への留学経験がある韓国の軍隊の隊員3人と、韓国のスタッフ2人が助っ人として参加してくれました。午前中はまだ息が合わず、上手くいかない時もありましたが、午後にはお互いに意思疎通がとれ始め、スムーズにブースを回すことが出来ました。新石器時代の押圧剥離といった他のブースにはない加工体験や、中国には無い黒曜石が珍しがられ、初日からたくさんの人がブースに来てくれました。色々と質問されましたが、やはり「この石はどこで採れるの?」や「これを使って何ができるの?」といったことが多かったです。また、夜にはオープニングセレモニーということで韓国を代表する多くのアーティストたちが歌や踊りを披露してくれました。
会場となった全谷里先史遺跡公園
体験に来てくれたこどもたちに石器作りを教える私たち二人(上は菊池:歴産3年、下は塚野:同4年)
韓国のアーティスト 韓国国内ではとても有名な人たちらしいです。
四日目の午前中はあいにくの雨模様でした。しかしこの機会を利用して、私たち学生も韓国のスタッフのみんなに石器についての詳しい説明や、石器づくりのレクチャーをする事が出来ました。みんなとても覚えるのが早くてびっくりしました。太陽が見え始めた午後からは人が増え、ブースは体験に来た人でごった返し・・・・・しかし韓国のスタッフのみんなが石器作りを覚えてくれたおかげで、急な体験者の増加にも慌てることなく対応することができました。また、この日からは昨日質問されたことをもとに押圧剥離のほかに、実際に作った石器で木の皮を剥いだり、肉を切ったりといった体験をしてもらいました。そして、長井先生による実演によって、直接打撃をやってみたいといった子どもたちも増えたため、安全には細心の注意を払いながら、実際に直接打撃をしてもらいました。上手く石が割れない子、力が入りすぎて石を大きく割りすぎる子、など色々な子どもがいました。また、時間の合間に他の国のブースを見にも行きました。特に、隣のマレーシアのブースでは実際に全谷里遺跡で出土した石器の素材と同じ、石英岩や玄武岩を利用したハンドアックス(握斧)を作る体験ブースが設けられていました。他にも、火起こし体験やペンダント作りなど、魅力的なブースがありました。
石器作りを教える韓国の学生と日本ブース(芸工大の名前が入っています)
シンガポールのハンドアックス作りの様子(上)と石器作りを教える長井先生(下)
来場者に説明をするスタッフ
立ち並ぶ各国のブース
五日目はブースを韓国スタッフの人たちに任せ、私たち招聘メンバーは、北朝鮮との国境地点にあるDMZ(非武装地帯)とそれに関係する名所を巡るツアーに出かけました。また、その後に全谷里博物館を見学しました。
最初はDMZを見に行きました。検問には銃を構えた兵士が立っており、そこを抜けるとDMZの最前線の場所に着きました。そこで説明してくれた兵士の話では、何度か国境の範囲が変わっているとのことでした。
昼食を取った後、戦争の様子を記録する鉄の三角戦跡館とそのそばにある孤石亭(コソクジョン)に行きました。孤石亭をバックに各国から招待された国際的なメンバーの皆さんと写真を撮りました。その後、戦闘の痕跡を残す労働党舎を見て、白馬高地に行きました。ここでは北朝鮮と韓国との戦闘が行われ、その戦没者を祀る慰霊碑が建てられました。
DMZツアーの後は全谷先史博物館に行きました。ここで全谷先史博物館の説明をしておきます。全谷先史博物館は全谷里遺跡で出土した、北東アジア初のアシューリアン型のハンドアックス(握斧)を初めとして、遺跡出土の遺物や、先史時代に関する資料を展示しています。一階のシアターでは、ハンドアックスの出現などについて、考古学にあまり知識のない人でも楽しませることのできるようなムービーが3Dで上映されています。博物館では1時間ほど観覧しました。日本にはない展示の仕方や工夫が見られ、学芸員を目指している人には是非一度行ってみてほしい場所です。
労働党舎(上)と全谷先史博物館へ向かうメンバー(下)
博物館の展示の様子
館長からの話を聞く招聘された国際的なメンバー