40日余りに及んだ現場が終わった。これまでもっとも長い調査だった。思い起こすとはじめてのことがいくつかあった。
「期限までに絶対終わらせる」というモットーはあっけなく崩れた。こちらの調査計画に対して、検出される遺構や遺物たちはたいがい裏切ってくれる。いつもその葛藤に苦しむが、それがまた発掘の面白さなのかもしれない。遺跡を掘る作業はまさに遺跡との対話なのだ。調査者の問いに対する遺跡の応答を読み取らないといけない。今年はどれだけの遺跡の声を聞き取れたか・・・。今日は、延長した期限の日。今年も早出をして何とか終わらせることができた。やっぱり、現場は終盤に切羽詰まる時間帯がないとやり終えた気がしない。9月2日時点で不完全燃焼だった4年生・院生もこれでようやく現場から心を放すことができるのではないか。
現場の初日から一人出ずっぱりだったE本くん。埋め戻し作業早々にはりきりすぎてダウン。埋め戻し完了直前に復帰して無事記念写真にはおさまるも、心なしか元気がない。
2年生、1年生が即戦力として活躍したことも記憶に残る。このブログの登場頻度からもそのことがうかがえる。
終盤前庭部で活躍してくれたasuka嬢。最終日に大発見!あなたには何か不思議な力があるのかもしれませんね。
あこさん、あなたの男気、きくばりも忘れませんよ。ありがとう。キャリアダンプの運転楽しそうでしたね。
4年生・院生は一回り大きくなった。ここではあえて語らない。3年生は今後に期待だ。1・2年生の突き上げにこたえてくれると信じたい。
さて、今年の土のう開きでは何が出るか・・・・。
移植ごて1本、竹べら1本。まあまあというところでした。「犯人は私です」と名乗り。なぜわかるかというと、土のう袋に調査区が明記されているからです。
最後は赤鬼のおばちゃんも一目置く、大飯ぐらいのI橋くん(3年)の1っぽん締めで現場を終えました。まだ明るい時間に締めたのも初めての経験でした。
現場下のお寺の住職さんにあいさつにいったら、これもってけやと、一升瓶2本をさげて奥から。この間もいただいたのに申し訳ないといいつつ・・・心の手は前へ。
この1か月あまりの経験。それぞれの心に何が刻まれたか。これからまだまだ成長していく学生たちと、そんな会話ができるのが楽しみで来年もまたやろうという気がわいてくるのかもしれない。月並みな言葉だけどやっぱりフィールドは出会いと感動、発見の宝庫。