歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2010-02-27

紀州和歌山城


紀州和歌山といえば徳川御三家のひとつ。

和歌山城は市中心部の独立丘に連立式の天守がそびえる。城のシンボルとなった天守は昭和33年に鉄筋コンクリート造で復元されたものである。当時の工事の様子をビデオでみることができるが、工事用足場の組み立てや門柱などをソリで引く様はもはや伝統技術・・・・と、唸ってしまう。

石垣がすばらしい!
豊臣秀長の城代として城の骨格を作ったのは桑山氏であった。文禄期ごろに本丸や天守郭の石垣群が作られた。丘陵部の石垣は結晶片岩(緑泥片岩)とよばれる緑色の片岩が用いられ、独特の景色である。少なくとも2段階はありそうだ。

次いで、関が原(慶長5年)のあと、加増されて甲府城からはいったのが浅野幸長だ。二ノ丸や大手門、岡口門など平地部で主要な郭や城門を整備した。元和5年には改易された福島正則に代わり、またまた加増され広島城に移った。約20年間、浅野は城の整備を大々的に行った。城内に石切り場がある片岩に代えて、友が島等から和泉砂岩の転石を本格的に利用するようになった。3段階ぐらいの変遷が読み取れる。

そして、いよいよ徳川の時代になる。家康の子、初代徳川頼宣が和歌山に入って紀州徳川家が成立する。このとき、最近整備された御橋廊下が架かる石垣が二ノ丸を拡張して作られた。大手門周辺もこの頃再整備された。
そして、明暦の大火後の復興、18世紀台の花崗斑岩(熊野石)を使う石垣など、これも少なくとも3期ぐらいはある。徳川の石垣ゆえ、公儀穴太たちが関与したのであろうか。

国の名勝に指定されている西の丸庭園。自然地形をうまく生かして作った桑山時代の石垣群を借景とし、結晶片岩の岩盤を池の中島や岩山にみたてる、人工と自然の調和を表現した見事な庭園である。

お城に隣接する「岡山」という緑泥片岩の岩山を歩くと、片岩の層理・節理を利用しならが石を切ったあとがいくつも見えてくる。

和歌山城の石垣をみたのは今回がはじめて。予想以上にマニアを楽しませてくれる。石垣を見る楽しみは人それぞれあろうが、私にとってはベスト3に入る感動の出会いだった。

本屋に入って参考図書を探したが、郷土コーナーは「たま駅長」が席巻していた。





2010-02-13

卒展と「ちょこっと展示」


卒展を見てまわった。

歴史遺産学科のポスター展示も年々よくなってきている。卒論に真摯に取り組んだ学生のポスターからはその熱意と成果が伝わってくるし、達成感がにじみ出ている。

卒展の楽しみの一つに、知り合いになった他学科の学生の作品を見ることがある(転学科した学生も)。芸術やデザインする彼ら、彼女らが、考古学や歴史と対話したことが作品にどうあらわれているのか。人、自然、社会、世界、相互の関係など、現代・未来について真剣に考え、表現している彼らの作品。ぜひ歴史遺産の学生も根底に共通したテーマがあることを感じてほしい。

卒展全体からみると歴史遺産は地味な感がぬぐえない。美術やグラフィックはさすがに、モノ(作品)が大きな力で語りかけてくるし、プロダクトはプレゼンで迫ってくる。論文系だからといってないで、芸工大らしい外にアピールする歴史遺産をめざそう。卒業してからもその力は社会で即役に立つ。

見学中、歴史遺産学科の4年生には何人かあったが、3年生以下にはあまり出会えなかった。もし、まだ見ていなかったらぜひ見学してほしい。

帰りに、芸工大のそばでやっている長瀬渉×柴田美和のバレンタイン企画「ちょこっと展示」を見に行った。

陶芸家・長瀬渉は10年前に彼が大学院の時に授業で知りあってからの付き合いになる。お互いの研究・作品にいい刺激をやりとりしている。

展示している工房ネロリは、古くなった農具小屋をアトリエとギャラリーに改装したもの。薪ストーブの上では長瀬作の亀の土鍋がシュウ、シュウ湯気を吹いている。
そして、なによりも懐かしいムーアが迎えてくれた。彼女ともども長瀬君と笹原さんにはゼミの学生たちが2年続けて長崎でお世話になった。ムーアは4年前、まだ小さかった頃、彼のアパートにとまった時、私の腕枕で朝まで寝たのだった。たしか前のブログで書いたと記憶している。呼子の港で壱岐に行く私を見送ってくれた。展示品の片隅には時折ムーアがいた。DMの写真にもなっている。4年ですっかり成長し、モデルとして稼いでいるそうな。あいかわらず訪ねてくるお客さんの人気者で、今回はバレンタイン・クッキーにもしてもらった。

せっかく、芸工大に来たのだから他学科の学生や先生と交わってみるといい。得るものは少なくないはずだ。

2010-02-10

今年のフィールドワーク演習!!

ばんげです、どうも。
武士ことSKはいちおう県内の出身ですよ。

さて、冬はウサギ狩りの季節です!
去る2月5日から9日(人によっては8日まで)、今年も授業で小国町五味沢に行ってきました。
集落の周りを見ながら歩いたり、ウサギの巻き狩りに参加してきたり、集落の人達と話したりしてきました。
楽しかったですよ。本当です。

個人的には何回か来た五味沢地区ですが、私が授業等で来たことは実は少なく、今回で2回目でした。それでも何人かの方に顔を覚えてもらっていて話しかけてもらえ、嬉しかったのを覚えています。アルコールで半分飛んでいますが…

自分で動いて、自分たちで獲って、加工して、食べて、人生の先輩方の話を聞く…ここに来るたびに、多元的に「生き方」を学ばせてもらっている気がします。本当にありがたいことです。

これ見た人、概要とかは良いので、個人の感想をどんどん書いていきましょう。解説したい人もそれはそれでどうぞ。
せっかくお世話になったんだし、盛り上げていきましょうよ。

2010-02-01

ろくろと甘党。

今日から2月にはいりました。
月日が流れるのは本当にはやいですね…。
大学では今日から集中講義がはじまりました!

さて、最近土器チュートリアルではろくろを使用した活動を行っています。
ろくろを使いながら形を作っていくのは至難の業。
なかなか自分の思い通りにはなりません。
ろくろ初心者の我々1年生は先生に指導していただきながら、なんとか作り上げています。
大きいもの、小さいもの、分厚いものなど、出来上がったものはどれも個性的!!それぞれ性格が表れます。
心のゆがみは作品のゆがみ?なのか、心に迷いがあると作品にあらわれていくようです。
製作途中のものがゆがんでいくと、脇から「今日何かあった?」「どうしたの?」と声(ひやかし?)がかかります。
今日も約2名程、心に悩みを抱えた人が…いたかも?

今日は同時進行で、以前ろくろで製作しその後素焼きしたものに釉薬をぬる作業を行いました。
何種類かある中から自分のイメージに合った色を、素焼きした湯飲みや小鉢に塗っていきます。
みんな焼いた時の色を考えながら熱心に悩んで決めていました。
直観で選んで素早く塗っていく人もいれば、何分も何分もかけて仕上げていく人も。
描かれた絵も、桜の花が咲いているものや、渦巻き模様、パンダの顔(笑)
ここでも1年生の個性が発揮されたようでした。
自分が考えもしなかった方法で釉薬を塗っている人もいるので、作る過程を観察しているのも楽しくて仕方ありません。
今日の作品たちがどうなるかと思うと、完成が待ちきれないです!

製作のあと、ろくろや釉薬を片付け終わって一息ついていたら…
考古ゼミ4年生のK藤先輩とY見先輩からケーキの差し入れをいただきました!!
年末にやった演習室の大掃除のお礼にとのことでした。
不●家の箱を開けて中を見ると騒ぎ出す1年生7人(笑)
すぐさまデジカメや携帯で写真を撮りはじめます。
ケーキを切る時もどうやったら一番楽に切れるかと討論が始まります…(笑)
その場にいた全員で分けたので最終的に一口ショートケーキになってしまいましたが、美味しく頂きました!
先輩方、どうもありがとうございました!!!
とても幸せなひと時でした。
2月頭からこんなに幸せでよいのでしょうか…

Rちゃん、掃除頑張ってよかったね!!!

以上、あべちゃんこと1年阿部がお送りいたしました。

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