歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2015-05-22

帰国 忘れられない思い出

 最終日となり一週間にわたる旧石器フェスティバルの余韻が消えぬまま、早朝に韓国を発ち、お昼過ぎには日本へ帰国しました。韓国に何か月もいたかの様にたくさんの事があり、たくさんの事を学び、一週間前に会ったとは思えないくらい親しみを感じる様な人達に出会う事の出来た最高の一週間でした。たとえ文化や言語が違えども考古学・遺跡に対する思いは世界共通であることを実感しました。離れていても同じ想いを持った人がいる、それはこれからの私たちの未来、そして考古学の未来への原動力になると確信しました。(菊池)

韓国に本当に一週間もいたのか疑うようなあっという間の時間でした。毎日が新しい発見の連続で様々なことを学びました。特に、日本と比べ「考古学」という学問についてとても認知されているということが衝撃的でした。ぎっしり並べられたブースに絶えず人が溢れかえる、という光景は中々日本では見られないと思います。そして、日本でもこのような祭りが開催されるようにどのようなことをすればいいのか考えさせられました。また、出会った人たちはどの人も親切でバイタリティに溢れていました。今回の韓国訪問を通して世界の人たちとの繋がりがどれほど素晴らしいものなのかを体感することができました。私たちのような若い者こそ、自分自身の足で世界を歩くことが大切だと感じます。(塚野)

最後にこの場をお借りして、今回招待してくださった諸先生方、移動や宿泊の際に親身に接していただいたスタッフの皆さん、祭りを一緒に盛り上げていただいた韓国スタッフの隊員さんと韓国の学生スタッフ、各国から招待された国際的なメンバーの皆さん、宿泊先の店員さんやレストランの店主さんに心より感謝を申し上げます。

それではみなさん、ここまで読んでくれて・・・カムサハムニダ!!!

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最終日もたくさんの人がブースへ足を運んでくれました(上)

孤石亭での集合写真(バックには数十万年かけて自然の川が浸食した玄武岩台地を一望できます)(下)

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2015-05-22

全谷里旧石器フェスティバル無事終了!!~未来を担う若者に向けたメッセージ~

 六日目は旧石器フェスティバル最終日であり、韓国でも日本同様子どもの日であったため、沢山の人が来ました。一緒に体験ブースを担当して3日目、息の合った連携で終わりを迎える事が出来ました。今回、旧石器祭りを通じて感じたのは、言葉が通じなくてもチームとして一体になれる、ということです。韓国スタッフの隊員とは日本語が通じたため、意思疎通を取ることもさほど大変ではありませんでしたが、他の学生とはいっさい言葉が通じず、最初のころは苦労しました。しかし、ジェスチャーをすることで徐々に意思の疎通が取れ、祭りが終わる頃には冗談も交わせるような仲になりました。体験ブースが上手くいったのも彼らとチームとして一体になれたからだと思います。そして、その日の夜には裴基同教授に招かれ各国から招待された国際的なメンバーのメンバーとのパーティーが行われました。とても楽しいひとときを過ごし、最後は裴基同教授より考古学の未来を担う若者へ向けてメッセージをいただき、今年の旧石器祭りも大成功という形を迎えることができました。

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 今年の石器祭り日本ブーススタッフ

 

2015-05-22

~全谷旧石器祭り開幕~

 三日目からは漣川郡全谷里に会場を移して、国家史蹟全谷里遺跡公園で第23回・旧石器祭りが始まりました。まず全谷里遺跡公園に入って思った事は、とにかく広く、テントの数も多く、どれも凝ったものばかりでした。前回と同様、日本代表のブースでは黒曜石や山形県の頁岩、九州の安山岩等を使った石器づくりの体験を行いました。また日本への留学経験がある韓国の軍隊の隊員3人と、韓国のスタッフ2人が助っ人として参加してくれました。午前中はまだ息が合わず、上手くいかない時もありましたが、午後にはお互いに意思疎通がとれ始め、スムーズにブースを回すことが出来ました。新石器時代の押圧剥離といった他のブースにはない加工体験や、中国には無い黒曜石が珍しがられ、初日からたくさんの人がブースに来てくれました。色々と質問されましたが、やはり「この石はどこで採れるの?」や「これを使って何ができるの?」といったことが多かったです。また、夜にはオープニングセレモニーということで韓国を代表する多くのアーティストたちが歌や踊りを披露してくれました。

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会場となった全谷里先史遺跡公園

 

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体験に来てくれたこどもたちに石器作りを教える私たち二人(上は菊池:歴産3年、下は塚野:同4年)

 8韓国のアーティスト 韓国国内ではとても有名な人たちらしいです。

 

 四日目の午前中はあいにくの雨模様でした。しかしこの機会を利用して、私たち学生も韓国のスタッフのみんなに石器についての詳しい説明や、石器づくりのレクチャーをする事が出来ました。みんなとても覚えるのが早くてびっくりしました。太陽が見え始めた午後からは人が増え、ブースは体験に来た人でごった返し・・・・・しかし韓国のスタッフのみんなが石器作りを覚えてくれたおかげで、急な体験者の増加にも慌てることなく対応することができました。また、この日からは昨日質問されたことをもとに押圧剥離のほかに、実際に作った石器で木の皮を剥いだり、肉を切ったりといった体験をしてもらいました。そして、長井先生による実演によって、直接打撃をやってみたいといった子どもたちも増えたため、安全には細心の注意を払いながら、実際に直接打撃をしてもらいました。上手く石が割れない子、力が入りすぎて石を大きく割りすぎる子、など色々な子どもがいました。また、時間の合間に他の国のブースを見にも行きました。特に、隣のマレーシアのブースでは実際に全谷里遺跡で出土した石器の素材と同じ、石英岩や玄武岩を利用したハンドアックス(握斧)を作る体験ブースが設けられていました。他にも、火起こし体験やペンダント作りなど、魅力的なブースがありました。

 

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石器作りを教える韓国の学生と日本ブース(芸工大の名前が入っています)

 

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シンガポールのハンドアックス作りの様子(上)と石器作りを教える長井先生(下)

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 来場者に説明をするスタッフ

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 立ち並ぶ各国のブース

 

 五日目はブースを韓国スタッフの人たちに任せ、私たち招聘メンバーは、北朝鮮との国境地点にあるDMZ(非武装地帯)とそれに関係する名所を巡るツアーに出かけました。また、その後に全谷里博物館を見学しました。

 最初はDMZを見に行きました。検問には銃を構えた兵士が立っており、そこを抜けるとDMZの最前線の場所に着きました。そこで説明してくれた兵士の話では、何度か国境の範囲が変わっているとのことでした。

昼食を取った後、戦争の様子を記録する鉄の三角戦跡館とそのそばにある孤石亭(コソクジョン)に行きました。孤石亭をバックに各国から招待された国際的なメンバーの皆さんと写真を撮りました。その後、戦闘の痕跡を残す労働党舎を見て、白馬高地に行きました。ここでは北朝鮮と韓国との戦闘が行われ、その戦没者を祀る慰霊碑が建てられました。

 DMZツアーの後は全谷先史博物館に行きました。ここで全谷先史博物館の説明をしておきます。全谷先史博物館は全谷里遺跡で出土した、北東アジア初のアシューリアン型のハンドアックス(握斧)を初めとして、遺跡出土の遺物や、先史時代に関する資料を展示しています。一階のシアターでは、ハンドアックスの出現などについて、考古学にあまり知識のない人でも楽しませることのできるようなムービーが3Dで上映されています。博物館では1時間ほど観覧しました。日本にはない展示の仕方や工夫が見られ、学芸員を目指している人には是非一度行ってみてほしい場所です。

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労働党舎(上)と全谷先史博物館へ向かうメンバー(下)

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博物館の展示の様子

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館長からの話を聞く招聘された国際的なメンバー

 

2015-05-22

第7回遺跡保護と遺産教育に関わる国際集会in韓国 2015 may

アニョハセヨー!!!!!!!!

 一昨年に続き、歴史遺産学科の塚野聡史(4年)と菊池駿貴(3年)が4月30日~5月6日までの間、韓国の漣川郡全谷里(チョンゴクリ)遺跡公園で行われた全谷旧石器祭りと国際集会に長井謙治先生と一緒に参加してきました。

 一昨年と同様に世界各国からメンバーが招集され、今年は韓国も含め総勢6か国(日本、韓国、台湾、マレーシア、オーストリア、リトアニア)からの参加となり、祭りの期間中各国から招待された国際的なメンバーとして行動を共にしました。

 初日は移動日ということで、アシアナ航空の飛行機を使い、成田国際空港をお昼過ぎに出発し、2時間半かけて仁川(インチョン)国際空港に到着しました。例年はその日のうちに全谷里に移動するのですが、今年の初日はソウル市内のホテルに滞在することとなりました。そのため、韓国の銀座(?)と言われる明洞(ミョンドン)へ行き、韓国の焼き肉を食べ、時間に余裕があったのでミョンドンを散策、夜の韓国を満喫しました。

 

1国際集会の会場となった景福宮(キョンボックン)

 

韓国訪問二日目からが本番です。二日目は、午前中ソウル市内にある国立民俗学博物館と、国立古宮博物館に訪れました。国立民俗学博物館では、子どもたちにも分かりやすいような体験ブースを設けるなど、ポップな展示になっており、韓国の思想や歴史を一から体感する事も出来ました。国立古宮博物館では、韓国の今までの王朝についての展示がされており、遺物の展示など、日本でも見習うべきことが多くありました。その後は景福宮(キョンボックン)と光化門(クヮンファムン)を見学しました。

そして午後二時から、古宮博物館内にある講演ホールで第7回「遺跡保護と遺産教育に関わる国際集会:文化的に優れた博物館の構想戦略」が開催されました。ここでは、各国の石器づくりのメカニズムや、博物館の活用方法など、とても勉強になる発表が行われました。そして、長井謙治先生が2013・14年度の日向洞窟遺跡の発掘報告を、地域住民考古学(パブリック考古学)という立場で、調査中の現場の様子や地域の人々との交流の様子の写真を織り交ぜつつ、発掘と地域の人々との結びつきについて触れながら、発表しました。講演後は発表者全員が登壇してのパネルディスカッションが行われました。日向洞窟遺跡の調査成果に関しても質問が相次ぎ、福井洞窟との調査成果との比較などが争点となりました。また、この日の夜は私たちを招待してくださった漢陽大学の裴基同教授や全谷先史博物館の李漢龍館長らが、私たち各国から招待された国際的なメンバーのために仁寺洞(インサドン)で食事会を開いてくださいました。そしてこの日のうちにソウルから約1時間半車で北に向かった、祭りの会場となる全谷里遺跡公園へと移動しました。

 2長井謙治先生の学会発表の様子

 3景福宮(キョンボックン)にある国立民俗学博物館で館長から説明を受ける

招聘された国際的なメンバー

 

 

2015-05-01

まだ見ぬ洞窟を求めて

4月25日。高畠町に洞窟を探しに行きました。

DSCN0042天気は晴れ!絶好の探検日和です。

 

高畠といえば2013年度から発掘調査が行われている日向洞窟でお馴染ですが、それだけでなくまだまだ未知の洞窟が沢山眠っているのです。今回はその洞窟を探しに行きます。

 

最初に向かったのは文化遺産でもあるびる沢湖周辺の洞窟。順調に歩き出す一向。しかし…

DSCN0066辺りには昔の生活の痕跡が沢山!

洞窟にたどり着く前に地表観察に追われます。

DSCN0072

DSCN0058先生や先輩から様々な知識を教わる2年生。

今回GPSの操作や測量の補助などなどで大活躍です。

DSCN0054痕跡を確実にカメラに収めるために、影になる3、4年生。

歩くたびに遺物を発見する学生も。流石です。

 

結局洞窟までたどり着くのに地表面の観察に追われました。

一区切りついていざ洞窟へ。

DSCN0091初めて洞窟を見る学生もいて大興奮。やはり写真と生じゃ雰囲気から違いますね。

 

さて、本題はここから。洞窟から少し見上げると大きな岩穴が。

DSCN0090

DSCN0095昔の人もこのように中から外を見ていたのでしょうか。

 

二つ目。

DSCN0108

DSCN0117沢山積もった枯葉から昔の暮らしの痕跡がないかみんなで探します…。

手掛かりはありました。

DSCN0122先生の嬉しそうな表情がここからでも伝わってきます。

あ

あ2タイトル「自宅前にて」記念撮影。

 

まだまだ洞窟はあったのですが、お昼もすっかり過ぎて、お腹を空かしてへとへとになった学生もいたので古川さんの蕎麦を頂きに下山。

蕎麦の写真撮り忘れました…。とっても美味しかったです。

古川さんとの話に花を咲かせ、気が付くと1,2時間も経っていました。

 

午後からは日向洞窟へ。

あ3丁度桜が。

とても神秘的な場所で心が熱くなりました。その感情を表すうまい言葉が出てきません。

 

それから洞窟前の山へ。

あ4

あ5

あ6

あ7山頂からの眺めは絶景です!

あ8いつの間にか夕暮れに。

夕陽に照らされる高畠町はとても綺麗でした。

あ9一日歩き回ってくたくた…とは言いつつもみんな笑顔でした。

 

次回はどんな発見が待っているのでしょうか。楽しみです。

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