朝いちで福岡城上之橋御門の石垣修復現場をみせてもらった。堀縁につくられた枡形門の石垣。
水堀なのでさぞ地盤が悪いとおもいきや、岩盤の上に築かれていた。根石から2段が玄武岩や礫岩の自然石で、上部を花崗岩の割り石で積むという使い分けがなされていた。解体に伴い、背面栗石内部から大きな石を用いた石列が多数見つかって話題になった。石垣の背面構造にはまだまだ知らない技が隠されている。問題意識を持ってしっかり調査しないといけない。
午後から大分県の杵築城の藩主御殿の調査を見せてもらった。こちらも豊臣期の石垣、細川の城代、松井家時代の馬場の遺構(地下施設)が見つかったと話題になった遺跡だ。海浜に面した城で地盤が弱いため、建物の礎石の下には一石ずつ、長さ1m以上、太い松杭が5本ずつ打たれていた。クロマツではなく、アカマツを使っているところが面白い。北側には慶長期の石垣が良好に残っていた。杵築といえば、2年前のゼミ旅行で訪ねた城下町が印象深い。早朝の朝もやの中、勘定場の坂の上であった中学生の「おはようございます」の挨拶で、この街がいっぺんに好きになった。日本一着物が似合う町、サンドウィッチ型城下町?いろんな形容があり、観光地化しているが、それでも生活感ある街並みが好きだ。歴史館のホールにあるジオラマは一見の価値がある。往来を行き来する人、広場に集まる人がいる。金額を聞いて2度びっくり!いまではむりだろう。
暗くなってから中津城を見学した。こちらも2年前の最終日、福岡空港に向かう途中、城か唐揚げかで大いに迷ったあげく、断念した城だ。福岡城の黒田家が九州に来て最初に入った城。NHK大河ドラマが黒田官兵衛に決まって町は盛り上がっている。7世紀に作られた神護石を壊して石材を調達し、築いた城だ。石材が規格的で、後から附け足された細川時代の石垣より新しく見えてしまうのが不思議だ。
やっぱり、九州はいい。