穏やかな日差しの中、美作(岡山県内陸部)の津山城を見学しました。森忠政が慶長8年(1603年)から築城に着手し、元和2年(1616年)までに完成させたといわれます。この間、本丸から周辺部へ順次石垣が作られていったため、慶長期から元和期への石垣技術の変遷が非常によくわかります。高低差のある石垣を巧みに重ねあわせた石垣は景観的にも見ごたえがあります。名城100選に選ばれるのもうなずけます。石垣面がなんと340面もあるそうな。2005年には備中櫓が復元され、近世城郭らしい顔になっています。いま城跡は紅葉真っ盛り。寒桜も咲いており、観光客が大勢きていました。
眼下を流れる吉井川の対岸には石切丁場が見つかっています。ここは角石を専用に切り出した丁場です。硬質の凝灰岩を岩盤から切るのに独特の矢割り技法が認められました。