歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2008-12-26

ムーンリバー


午前中は村歩きをした。家の周囲は樹木や竹で囲まれ、無造作にレモングラスが生えている。マンゴー、パパイヤ、ココナッツを筆頭にビンロウ、カティン、パンヤなどなど、生活に有用な植物に満ち溢れている。菜園にはたくさんの野菜が植えられている。ペットポーンさんの庭(写真)では14種もの野菜等が整然と植えられている。村一几帳面で土器作りもうまいと評判のお母さん。さすが畑も性格がよく出ている。

午後からチュンポーン先生(県教委のえらいさん)がウボンの焼き物村を案内してくれた。ウボンを流れるムーンリバー(東に流れメコン川に合流)流域には良質の粘土が産出し、河川に沿って焼き物の産地がある。フアイバンノンはロクロと穴窯で植木鉢などを作っている。この村の家の塀にはクロック(ソムタム作りに欠かせないすり鉢)を積み上げたものがある。焼き物産地ならではの景観だ。ターコンレックは昔は野焼きの土器作り村(かつて土器を作った婆さんが3〜4人いる)だったが、今は型で七輪を作っている。籾殻で七輪を野焼きしている(写真)。籾殻で七輪を焼くのはラオスでも見ることができた。

夕食はオープンテラスのレストランでタイ料理。以前訪ねたスコータイの村で作っていた土鍋が使われている。下には七輪が置かれ、炭を燃料としている。実は炭は火が強く土鍋と相性が悪い。村でも今、調理にはアルミなべと炭が普及し、土器は水甕や祭事用(寺のタンブン)、消し炭入れなどの用途に限定されてしまった。

朝、雨がぱらつくという珍しい日に遭遇した。こんな日はお母さんたちはあまり土器を作らない。土器作りにとって重要な「乾燥」が思うようにいかないからだ。こっちはおかげでゆっくり村の中を歩くことができた。





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