大変遅くなりましたが、2009年度のウサギ狩りのお話です。
私たちは、2月2日から9日まで、田口研究室にて山形県西置賜郡小国町五味沢地区と小玉川地区で地区の公民館を使わせて頂き、そこで自炊をしながら、ウサギ狩りと里山のネイチャリングを行いました。
今日は、五味沢でのことを紹介したいと思います。
まず猟期についてです。基本的に狩猟期間は、2月15日までの間狩猟ができる期間となっています。
今回は、五味沢班では、3日の日に第一回のウサギ巻狩りを行いました。場所は、五味沢地区の里山です。
最初にウサギ巻狩りとは??
ウサギ巻狩りとは、勢子(ウサギを追う人)と鉄砲とに分かれて行い、勢子が掛声(ホーイ、ホイといった言葉)を出してウサギを鉄砲の方へ追いたてて、鉄砲が打つという形式の猟のことを言います。
また巻形は、袋状にして行きます。つまり動き方として端の勢子は、早めに行きはじめ、中側にいる勢子は、端の勢子より遅く出発します。そしてお互いに声を聞き、袋状の形が崩れないように進んでいきます。
そうしてうまく駆り立てることができれば、ウサギを仕留めることができます。
非常に体力と神経を使います。
そして今回のウサギ狩りでは、2か所の猟場を回りました。
いずれも杉の植林地帯です。そしてウサギは、運よく獲ることができました。
2度目の巻狩りで面白い現象が起きました。
それは、私たちが猟場の配置場所に着くと、すぐに1匹のウサギが逃げて行きました。そしてウサギを追いはじめて中盤に差し掛かったころまた一匹のウサギが逃げ出しました。そして一番奥にいたウサギが取られました。
この現象は、生態学で言われている現象で、3匹いる中で1匹が獲れるというものです。まさしく今回その現象が起きました。おそらく最初に逃げたウサギは、私たちが配置についた時点で異変に気が付き逃げたのでしょう。そして中盤にいたウサギは、掛け声が聞こえて異変を感じ逃げていたのでしょう。そして最後に残ったウサギが最後の最後で異変に感じ、逃げたのですが、逃げるタイミングが遅く獲られたという感じです。
ここで見てとれるのが、猟場にいるウサギをすべて獲るのではないということです。すべてウサギを取ってしまえば、山の資源が無くなってしまい、ウサギはいなくなってしまいます。そして巻狩りを行うことで、異変に気がついたウサギは山に戻り生き残ります。異変に気がつくのが遅かった少数派のウサギが獲られます。つまり、獲得数を調整し、持続的な狩猟を行うことができる役割をもった狩猟法なのです。
私たちは、この狩猟法を体を使い体験し、山で生活の仕方についても学ぶというのが、ウサギ狩り体験の目的でもあるのです。
そして山から帰るとウサギ汁の準備です。解体をし終わったウサギを醤油と味噌で笹切りにした大根と一緒に煮ると出来上がりです。
山の神様から頂いたウサギなので、残さず食べ切りました。
次回は、里山のネイチャリングについて紹介します!