6月6日、建築整備応用演習の授業で、北垣聰一郎先生(城郭史、土木技術史)をお迎えしました。今各地で盛んに行われているお城の復元や整備、石工の伝統技術の継承に関するお話しを聞きました。
7日には講義を聴いた学生も参加して山形市内の石鳥居の石切り場と、高畠町の石切り場を見学に行きました。北垣先生のほか、全国各地から石工技術の研究者たちが集まりました。
高畠では石工さんから伝統の技を身振り手振りで教えてもらい、溝切りの体験もさせてもらいました。数年前までは複数の石工さんがいて、その採掘場や鍛冶小屋、石引き道がそのまま残されています。伝統技術が伝えてきた価値を再発見し、それらが凝縮された場や道具,知恵などをどうやって現代に継承・再生していくかが課題です。このような視点から先月、千葉県富津市で房州石シンポジウムが開かれ、4年生の高柳くんが参加してきました。
学生をたびたびこの場所につれてくるのは、石工さんの語りに耳を向け、現場の空気を感じながらこの問題を考えてくれることを望むからです。歴史遺産を研究する者は自らが対象とする資料において少なからず同じ問題を抱えているのではないでしょうか。
今日は、このほか山形市蔵王成沢の空清水の石切り場、昭和初期に瓜割山丁場の凝灰岩で建てられた山交「旧高畠駅」の駅舎、明治期のアーチ橋「幸橋」等を見学しました。