秋らしいすがすがしい天気の中、最終日を迎えました。
朝から小屋の解体・道具の荷造りを行い、午後からは資材を山から下ろしトラックへ積み込み。坂道を重い荷物を抱えて数え切れないぐらい往復。疲労困憊でみな足腰がふらつく。
前庭部は午後最終の実測を終え、16:00から埋め戻し。近代の石垣遺構も復元し、17:00に無事作業完了。地権者さんに挨拶をして山形への家路をいそぐ。大学に到着してすぐに荷解き。毎年のことながら、安堵感、達成感、疲労感が入り混じったなんとも心地よい時間。余韻に浸る間もなく、「仮」打ち上げにGO!
昨日と今日が誕生日だったふたりに仲間からお祝いのケーキが。
今年の発掘は、センターラインに3年生(石室前庭部)、1年生(石室羨道)、2年生(石室玄室)、墳丘構造を確認する両ウイングの1トレ、2トレに4年生、さらに大そとの地形測量班に4年生、これに1年、2年(実習)が加わるという布陣でした。石室主体に全体総括を院生がやるという配置で、うまく機能したのではないかと思います。発掘調査は、それぞれ担当地区やチーム内での役割があり、これを自覚して主体的に作業に取り組まないと良い仕事が出来ません。1ヶ月あまり、朝から晩まで発掘に終始した3年生をはじめ、それを支えた4年生、本当にご苦労サンでした。途中アクシデントがありましたが、無事完了にこぎつけることができました。ゼミのみなさん、10月からあらためて出土品整理と調査報告書作りにとりかかりましょう。
今年の主な成果
? 発掘した3号墳の墳丘と石室の築造工程がほぼ復元できたこと。特に石室前面が凸字型に開く前庭部の遺構を検出したこと。
? 北目古墳群(安久津古墳群)で型式学的にみて最も新しい石室を持つと考えていた3号墳の年代が8世紀半ば頃とわかり、高畠町の古墳・石室編年が検証できたこと。
? 2ヵ年の調査で古墳群全域の地形測量(約5,000?)と石室実測図(5基)を整備することが出来たこと。
遺跡保存や学術研究面でそれぞれ良い仕事が出来ました。