県立うきたむ風土記の丘考古資料館で「高畠石の歴史と未来」というシンポジウムを開催しました。
このシンポは高畠町の歴史や景観の特色を、自然資源である「高畠石」と人との、1万年の関わりのなかからとらえ直そうというのが主旨です。地域の歴史的・文化的個性を見直し、まちづくりに生かそうという試みが全国で始まっています。文化庁が主導している新しい取り組みでは、貴重な文化財を断片的に指定・保存していくのではなく、それらが集積した場所や、その景観もふくめ、総体としてとらえ直し、脈絡をつけて保存活用していこうとしています。
高畠の文化財群を「高畠石」(これを基盤とする丘陵も含め)を軸にとらえ直すと通時的な「脈絡」でとらえることができ、それらが個性としていまの日常風景にあらわれていることが分かります。歴史文化のかおりに満ち、誇りあるまちに文化財をどういかすのか。シンポジウムに参加していただいた熱心な地域の方たちとこれからも考えていきたいと思います。
冒頭の写真は文化財保存修復研究センター岡本篤志研究員の発表の様子です。三次元レーザー計測による石切場の鳥瞰映像を、「赤青めがね」でみているところです。