歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2009-12-26

夜明け前


今日は朝5:00に村に着いた。そう朝駆けデーなのだ。まだ暗いのに台所は電気がついて朝ごはんのもち米を蒸している。そしてポター達はもう土器を作っている。早い人は4時からつくっている。

着くなりあわてて記録道具をかばんから取り出し、メモしたり写真を撮ったりするが、とにかく暗くてよく見えない。必死に観察しているといつの間にか外が白みはじめていた。今日一日お邪魔した家と隣の家から子どもたちが三々五々眠い目をこすりながら起きてくる。今日は土曜日、やがてどこからともなく子どもたちが集まってくる。賑やかこのうえない。孫守りしながらのポターも悪さをする暴れん坊のせいで何度も仕事を中断させられる。朝方、おとうさんは土器を山積みにしたリヤカーをバイクで引いて40km先の町まで売りに行った。お昼過ぎに帰ってくるというのに帰りがやけに遅い・・・・。

この村の土器つくりは叩き成形を駆使して作るので何回かの乾燥段階をはさむ。このときが休憩のチャンスなのだが、ポターが休んでいる時こそ、叩き板や当て具、成形途中の土器の形の実測など、息つくひまもない。これほど集中して人とモノを観察し、猛スピードにで実測することはそうない。我ながらびっくりしてしまう。

先発隊は40軒の1週間分の調理記録を作成した。何をどれだけ食べたのか。米蒸しの米と水分量の割合はどれほどか。こんな細かい調査によくつきあってくれるものだ。村の人たちの協力と支えがなければ考えられない。
昨日Rさんが亡くなった。祭壇に線香をあげにいくと、その前で村の女たちはにぎやかにトランプをしている。楽しそうだ。喪主にあたる娘だけは悲しそうなのに。そして葬式(火葬)ではロケット花火が飛び交いにぎやかに故人を送るのである。

明日からはラオスにはいる。



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