今日も朝一番にいつものTさん、Sさん姉妹の家に行く。昨日待ってたのにこなかったので土器焼いてしまったよ!と。
日曜日で学校は休み。いつもお姉ちゃんの脇で恥ずかしそうにしている9歳のOは、朝から土器をつくっている。「あたしもちゃんとできるのよ」誇らしげだ。
土器作りにはいくつかの道具がいる。この村では水挽き出来るくらいの性能の回転台(ペン・スィアン・モー、「板・回す・土器」という意味)を使う。叩き成形に使う叩き板(マイ・ペン)も重要である。これらはたいがいポターの夫が作る。家の下に蓄えてある建築廃材を利用する。家の柱はマイ・デンやマイ・ドゥという硬い木。梁や桁にはマイ・ヤンというちょっと軽めの木も使う。叩き板の樹種は硬いものが好まれ、だいたいはこれら4種程度である。子供用のは小さく軽め。体力に合わせて作る。
村の周りにはさまざまな樹木が生育している。驚くのは身近な建築材や食用果実がつく樹木だけでなく、ポターたちが多くの木の名前を知っていることだ。各地の土器作り村でポターやその夫たちに木の名前を聞いているが、この村の人たちが一番よく知っている。さすが森の民「ブッドン」。
内面のあて具(ディン・ドゥ)はポター自らが作る。あるポターがアシスタントに語ったところによると「30歳未満の娘はディン・ドゥを作っちゃいけないよ」「作るとお尻にささるよ」このディン・ドゥ伝説はポターたちの禁忌として注目された。翌日、Tさんに聞いてみたがそんな話しは知らないと、一蹴。娘のRもOも自分で作るよ。おばさんたちのしもネタだったのか。真相は闇の中。