歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2010-01-05

三姉妹の共演


ラオスの夕日はいつも感動的だ。今日は早出の日、まだ暗いうちに宿を出、村に近づいた頃、ようやく陽がのぼった。乾季は地平線上に塵が舞っているせいか、太陽がひときわ赤く大きい。ラオスは朝日も絵になる。

朝8時ごろ、なじみのTさんたち3家族はクボタ2台に乗ってモンキー・フォレスト(野生ザルがいる自然公園)へいった。近くの池で魚や貝もとってくるそうだ。観光兼漁労活動である。

早出とくれば、終日ポターに密着デーなのである。7時からKさん、Nさん、Pさん3姉妹の土器作りを観察する。彼女たちは6人姉妹で、ほかの3人は同じ村の中ではあるがちょっと離れたところに住んでいる。みんなお母さんに土器作りを習った。
この村では近所に住む姉妹が一緒に土器を作ったり焼いたりする。3人が1台の回転台を使って時間差で順次に作っていく。ただし、粘土や叩き板・あて具、野焼きの燃料等、材料・道具は個人所有である。
今日作る器種は全員モーウナムで、NさんとKさんが6個、Pさんが7個である。Kさんいわく。3人で一番うまいのはPさんだと。そこでPさんを一日徹底追跡することにした。末の男の子(子供は5人)はまだ1歳。土器を作っているお母さんのお乳をせがみに来る。

同じ母から習った姉妹でも技法や形に差が出るのが面白い。叩き成形前の原型はそれぞれ微妙に違う。Pさんは叩き板・あて具をそれぞれ二つずつ使い分け、丁寧に成形するのに対し、Kさん、Nさんは一つでやりきり、時間も早い。

Kさんはいつも「べらんめぇ調」。回転台上の水挽き成形で、1個をクシャと潰してしまった。苦笑い・・・・。マッカイという果物を木から何個ももいで、日本に持ってけと袋いっぱいに詰めてくれる。どこにでもいそうな気のいいおせっかいおばさんだ。年を聞くと「知らないよ!忘れた。」とはぐらかす。子供は10人いるそうだ。

夕方、翌日の粘土を唐臼で搗いて一日の作業が終わった。

しばらくして、庭先では夕食の準備が始まった。







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