今日は午後から宮城県の発掘現場を2ヶ所訪ねてきました。
一つは、多賀城創建期の瓦や須恵器を焼いた色麻町日の出山窯跡。8世紀前半代の工房建物が良好に検出されていました。埋土中には分厚い灰白色火山灰(10世紀初頭に噴火した十和田カルデラの降下火山灰)がありました。工房が廃棄されてから200年経ってもわずか10?程度しか埋まっていないことに驚きました。工房のなかからはロクロ据付穴や粘土ダマリが検出されており、ロクロを挽いていた工人の姿が目に浮かんできました。
二つ目は東松島市の矢本横穴。急傾斜地崩壊対策工事にともなう比高40mの急崖に7〜8世紀の横穴墓が高層マンションのように穿たれています。写真奥の暗闇には伸展葬の人骨が二体きれいに並んでいました。一体の人骨にはなぜか首(頭)が無い。そして、その頭がもう一体の頭骨と頬寄せるように?。首が一人で動いた(動かされた)?。想像をかきたてる不思議な出土状態でした。