歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2010-08-11

お客さんの多い一日


朝飯前に鼠持古墳を見学する。

午前中、読売新聞の取材を受ける。4月に入社した新人記者でインタビューを受けている学生との2ショットは友達同士の会話のよう。

それから米沢市教委、山短の吉田先生(女子学生たちの間から歓声!相変わらずの人気者)、午後から卒業生と在学生がやてきた。二つの古墳を往復するので結構疲れる。。。
午後15:00すぎから雨が降りだし中断。雨が小やみになり再開するも、再度降雨。少し早めに撤収し宿舎へ。雨が降ると山道を下る176号墳は危険。何度か手すりロープに助けられた。

この日の朝、宿舎の冷蔵庫が壊れるハプニング。冷蔵庫は夏の生命線。おひるには直りほっとする。原因は詰めすぎ?管理人さんの忠告通り午後からの雨。お昼に洗濯ものをとりこんでおいて助かった。夕方管理人室でいつもすれ違いの遠藤さんと話す。




戸塚山に調査に入ってほどなく、ハイジをどこに吊るすか、空を見上げる。しかし、いくら探してもいい枝ぶりの木がない。やっと、今日になって106号墳のそばに1基設置した。
左右のロープの長さがちがうので、振幅の違から漕ぐと回転する。それはそれで面白いのだが、これまで高畠の山でこんなに苦労したことはなかった。

戸塚山の斜面と尾根筋にはアカマツが卓越する。山麓は雑木林で106号墳の周囲はナラ林である。近くのお爺さんによれば、ここは戦後も薪炭林として薪を切っていたので、そこらじゅうに古墳の土饅頭がポコポコみえたという。

その後放置された林はコナラやホウノキの高木が林立している。薪炭林によくみられる根元から株立ちする木は意外と少ない。それと樹種が少ないことに気づく。徹底的に伐採されたせいなのだろうか。山の上部は松くい虫、下部はナラ枯れで森林がよわっているのがわかる。日あたりのよい176号墳の南斜面にはクリの木が多い。昔は柴を刈ったり、腐葉土を田んぼにすきこんだりして適度に森林に手を加え続けることで森の再生力を維持し、その保全がはかられていた。現在県の保安林に指定され、病害虫対策を中心に森林を守っている。今は木を切って運ぶだけでも費用がかさむので簡単にはいかないが、かつての里山利用技術から森を生かすすべを見出していく必要があろう。戸塚山古墳群を将来国史跡として整備する場合にも、森林との共存がテーマのひとつになるだろう。


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