タイのイサーン、ヤソトン近郊のNKN村に通っています。
今日は風の強い涼しい一日。終日Pさんのお宅にお邪魔しました。
お母さんと娘が土器を作り、お父さんと娘婿も何かと手伝いをします。この村では、伝統的な水がめや鍋のほかにタオとよばれる七輪をたくさん作っています。タオがよく売れるので若い人(20代〜40代)はほとんどがタオを中心に仕事をしています。タオ作りは熟練者でなくてもできるといわれ、若者に受け入れられやすいのです。タオは農村家庭では調理に不可欠な道具なのでよく売れます。タオ生産にシフトしたことで、若い世代を取り込み、伝統機種の生産と共存しながら活性化しているのです。窯焼きを導入したことで、フラワーポットなどを大量生産できるのも強みです。
村にはサハコーン(農協?)・大学から寄贈された煉瓦窯が2基あり、大量生産する人は窯で焼きます。しかし、小規模生産者、窯焼きの人でも数が少ない時は野焼きをします。市場経済に巻き込まれ、伝統技術の再編を余儀なくされつつも、新技術とうまく折り合いをつけて融合、発展させているようにみえます。大学からのデザイン指導もあるとのこと。
Pさんは進取の性格で、伝統的器種をアレンジしたオリジナルのモーナム・ギボフンを作ります。道路沿いに面した設けたショップには、村で一番のお客さんが来ます。今日は日曜日で、土器作りの合間にもお客さんが来て忙しそうでした。正月にバンコクから帰る子供のためにトムヤムセットを買いにきた夫婦、お葬式があるのでモーサオローを買いにきた娘、タオのすのこを買いにきたお婆ちゃん、スターフルーツ型のモーナムを買っていった夫婦などなど。
娘(27)は奥でひたすらタオを作っているのでした。本当によく働きます。バンコクの有名デパートで働いていたのですが、2年前結婚して戻ってきた。いまはノーンカイ出身の婿さん(煉瓦とモルタルで塑像をつくる)と一緒に家業を継いでいます。
夕方、村長さんちの裏庭でタオの野焼きを見せてもらう。バンモー以上に豪快だ。大きな火柱で近づけない。
帰りは村長さんのピックアップの荷台でホテルまで送ってもらった。