歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2011-01-07

夫婦

Aさんは村長の義理のおかあさん。ポターたちのリーダーだ。今日は夕方、土器でご飯を炊いてくれるというので訪ねてみた。
去年の乾季は、コーヒーのプランテーションに行ったので土器は作らなかった。故郷を離れての農園の労働は、さぞ辛かったろうと訊ねてみると、否、とっても楽しかったと。お金もいいし、仕事が楽しいので、また行きたい。土器作りは汚いし疲れるよ。でも、今年は早めに帰ってきて土器は作るよ。
夫は妻が出稼ぎに行ってる間、毎日一人で食事を作っていた。わびしそうな顔でそういった。
この村では婿入り、嫁入り両方あるが前者が多いらしい。夫は婿入り。そのせいでもなかろうが、どうみても家を仕切っているのはAさんだ。

 

Aさんいわく、子供は6人(男3、女3)いるよ。5人は結婚して家を出たね。でも、みんな村の中に住んでるよ。未婚の末娘W(15)だけが夫婦と同居している。タイやラオスの婿入り婚文化圏では、末娘が母親と暮らす例が多い。末子が家や屋敷の財産を相続するらしい。 壷酒造りを見学する。
蒸したカオ・チャオ(うるち)と籾殻、麹を混ぜて壷に詰める。あとは3〜5日間発酵させるだけ。水を足してストローで飲む。吸うと籾殻や米も少し口に入るので吐き出す。なくなったらまた発酵させるだけ。現在はタヒーン産の陶器の壷が主に使われている。
炊いたお米(カオチャオ)からもお酒を作る。食べ残しを天日にさらして乾燥させ、これを水に漬けて発酵させる。同じようにストローで飲む。これも継ぎ足し継ぎ足し飲む。
一つの壷を回し飲みする一体感がいい。
Aさんは3年前、レファートさんが来た時に撮ってくれた写真をみせてくれた。後ろにいるのは息子か。Tシャツの胸にはあの「イ・ヨンエ」のチャングムが。
Aさんが持つのは瓢形のナムタオという器種。こんなにでかいのはめったにない。

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